もみぢ

『食べることと出すこと』 頭木 弘樹著 以前「ほぼ日」で、糸井さんが「幸福というのはおいしく食べて、すっきり出して、ぐっすり眠れること」というようなことを書いておられたが、全くそのとおりだと思った。大病をして歳をとって睡眠障害やら胃腸の不調や…

時雨

映画『リトル・ダンサー』を観る 昨日は終日雨だったので、BS映画館の『リトル・ダンサー』を観た。2000年のイギリス映画。 話は80年代の半ば、イギリスの炭鉱町ダラムが舞台だ。少年のビリー・エリオットは炭鉱夫の父や兄、認知症気味の祖母と暮らす…

今年米

『埴輪は語る』 若狭 徹著 昨日のニュースだったと思うが、大山古墳(仁徳天皇陵)の調査で、やはり大型の円筒埴輪が並べられていたことが判明したと伝えていた。この本の著者によれば古墳の規模で立て並べられた円筒埴輪の数は大きく違い、おそらく大山古墳…

神無月

紅葉と「うだつ」の町へ 暖かさの小春日和も今週までとのことで、前々から気になっていた近場の町に出かける。まずは紅葉の名所と聞く美濃市の「大矢田神社」へ。 やはり紅葉が目当ての参拝者がかなり。 ここはかっては神仏習合で禅定寺という寺があり、仁王…

暮早し

『サコ学長、日本を語る』 ウスビ・サコ著 毎度のことだが、Tが読んでいて面白そうなので、回してもらう。 京都清華大学の学長がアフリカ出身の方ということは、何かで読んだことがあったが、どんな方かは知らなかった。アフリカのマリ共和国に生まれ、中国…

冬に入る

『山田 稔 自選集Ⅲ』 山田 稔著 Ⅲ巻は、パリでの思い出とスコットランド紀行、それに「自筆年譜」を加えたものである。作品は、いずれも既読であったが面白かった。いつもながら文体が読みやすく、味わい深い。スコットランド紀行もいいが、中でも「シモーヌ…

障子貼る

『山田 稔自選集Ⅱ』 山田 稔著 山田さんの自選集二冊目である。この巻は故人に係る思い出が多く、追悼集といってもよい。しみじみした話は印象に残っていて、どれもすでに読んだことを思い出した。書かれている主な故人をあげると、「八十二歳のガールフレン…

新酒

飛騨に紅葉と国宝・町並みを見に行く 「こころ旅」で見た飛騨古川の町並みを見たいとTが言う。多分飛騨の紅葉は見頃に違いないと、またまた急遽出かけることに。(遊ぶ相談はすぐに決まる) 飛騨古川は私(連れ合いとも)にとっては、思い出深い町だ。という…

刈田

映画『老後の資金がありません』を見に行く 今朝、どうでも良いことで連れ合いと丁丁はっしとやりあったので(もちろん言葉で)、昼の用意を放棄して映画を見に行く。宣伝で見たいと思っていた作品である。一人で行くのは何年ぶり?最近は車に乗らないのでバ…

捨案山子

『山田稔 自選集 Ⅰ』 山田 稔著 県図書館に山田さんの自選集があり、珍しいことに誰も借りていない。Tが出かけたついでに早速借りてきてもらう。 全三巻である。一巻目は短い散文集。主に『ああ、そうかね』と『あ・ぷろぽ』からの抽出である。 『あ・ぷろぽ…

椎の実

奈良を訪れる 石上神宮 奈良に行ってきた。奈良といっても天理市の辺り、初期ヤマト政権の発祥の地である。コロナ禍の収まった今しかないと無理を言った。今回は日帰りでもあり運転手は大変であったと思う。結果的に休み休みではあったが、往復で7時間、滞…

『残光のなかで』 山田 稔著 「年をとると記憶力が衰えるというのは、完全には正しくない。ごく近い過去、ついニ、三日前のことすら忘れるようになる反面、二十年、三十年むかしのことを細部にわたって鮮明によみがえらせれるのだ。遠い遠い日のあの人この人…

木の実 草の実

こもり居て木の実草のみひろはゞや 芭蕉 海棠 ? イシミカワ クサギ ヨウシュヤマゴボウ ハナミズキ ピラカンサス 草の実と木のみを撮りてけふも暮れ 夜、甥より連絡あり。姉永眠す。享年93歳。 姉といふ母に似しもの花芙蓉

コスモス

『不当逮捕』 本田 靖春著 この本のあらましについては先日少しだけ触れた。ともかく面白かったが、詳細に触れようとすると手に余る。能力のなさを曝け出すだけなので、簡単に書きたい。 先にも触れたが、背景に検察界の権力争いがある。戦前からつづく根深…

秋時雨

姉に別れる 昨夜、甥から電話があり、いよいよ姉がいけないらしいと知る。水が飲めなくなったが、拘束してまで点滴で入れることはしないという。施設が面会させてくれるというので、今朝早速出かける。 コロナでずっと面会が出来ず、二年ぶりの面会である。…

鰯雲

『不当逮捕』 本田 靖春著 新聞の文庫本案内で後藤正治氏の『拗ね者たらん 本田靖春人と作品』が文庫化されたことを知った。本田氏の作品は『誘拐』が実に良かったので、第六回ノンフィクション賞を受賞したという『不当逮捕』もぜひ読んでみたいものだと思…

金木犀

秋のちょっとドライブ 地方版のテレビニュースで、山県のJA販売店で栗が剥き販売されているのを知り、(山県は利平栗の発祥の地とか)ドライブを兼ねて買いに行こうとなる。当日分が売り切れてしまわないうちにと、早めに家を出る。ところが、着いたのが開店…

稲の香

『芥川賞を取らなかった名作たち』 佐伯 一麦著 相変わらず佐伯さんを読んでいる。これは小説ではない。仙台文学館での講座を元にした「芥川賞受賞を逃した名作」の読み直しである。 対象になったのは第一回から九十回まで、その中から十一作品。この内私の…

鰯雲

『芭蕉紀行文集』 中村 俊定校注 図書館が閉館している間に、読み通した覚えのない本でもせめて目を通そうと、古めかしい本を出してくる。何と二冊もあり。一冊はTの買い求めたもので一冊は自分が買ったものらしい。 さてこれらの紀行文は『奥の細道』と異な…

秋の声

『遠き山に日は落ちて』 佐伯 一麦著 また佐伯さんの私小説を読んでいる。時系列でいえば、これは先の本『還れぬ家』より前の話で、斎木(語り手)は最初の妻との間に三人の児を成したが、感情的に折り合わぬものがあって別れている。今一緒に暮らしているの…

秋光

『還れぬ家』 佐伯 一麦著 『ア・ルース・ボーイ』のその後を読みたいと、佐伯さんの本を二冊借りてきた。年月を辿って読んでいくつもりだったのだが、この本の惹句で一挙に三十年後の話を読むことになった。 高校生の時家出同然のように家を出て、親にも深…

彼岸花

彼岸花が咲き始める 日差しがあっても朝夕は過ごしやすくなった。体調もやや回復してきて久しぶりに夕方に散歩をする。堤防のここかしこに彼岸花が咲き始めた。コロナで市民清掃の草刈りが行われてないので、草丈にまぎれているのが少し残念。今日は翡翠にも…

秋天

『バベットの晩餐会』 イサク・ディーネセン著 佐伯さんの著書で知った。図書館で借りてきたのだが、正直、面白味がわからなかった。ところが、何と先日BSでこの物語の映画が放映されたのだ。もちろん観たことは言うまでもない。1987年のデンマーク映画…

法師蝉

チュニック風ベストを縫う 少し涼しくなったのでこれからようにチュニック風ベストを縫う。今Tシャツの上に羽織っているもののデザインが気に入っているので、その秋用。ウールガーゼで縫おうとしたら思ったより布地がお高い。おおよそ1メーターが3000…

秋風

『ア・ルース・ボーイ』 佐伯 一麦著 自分に正直に生きようとする若さが痛いたしいが、読了感は爽やかだ。 英語教師に「loose」とレッテルを貼られた少年は、県下有数の進学校を後にする。同じように高校を中退して、婚外子を産んだ中学時代のガールフレンド…

つくつくし

『養老先生、病院へ行く』 養老孟司・中川恵一著 テレビの「養老先生とまる」でも採り上げられた先生の病気の顛末を、主治医の中川先生と一緒に振り返った話である。 病院嫌いの養老先生も身体の不調には勝てず、結局不満ながら医療システムに取り込まれて、…

新涼

『暗き世に爆ぜ』 小沢 信男著 その一 『俳句世がたり』の続きが読みたいとて、さんざん迷って久しぶりに本を買う。ケチではなくて物を増やしたくない。そんなことは一種の宗教だとTには言われるが、でも・・・まあいい。 さて、本は期待に違わず。一気に読…

虫しぐれ

『イスラム教の論理』 飯山 陽著 アフガニスタン政府があっという間に崩壊して、大混乱が始まっている。タリバンが全土を制圧したかと思えば、一昨日にはISによる自爆テロもあった。「イスラム教」とは一体どんな宗教なのか、全くなにも知らない。そう思って…

法師蝉

『ひとり』 加島 祥造著 この人の名は、一時『タオ』で耳にしたことがあったが、読んだわけではない。『荒地の恋』に名前が出てきて、ハッとした記憶もある。 すでに亡くなられたようだが、晩年(65歳からと本書にある)信州の伊那谷での一人暮らしを選ば…

おしろい花

『麦の冒険』 佐伯 一麦著 前にも触れたことがあるが、私はこの人の文章が好きだ。文章を通して感じられる人柄も気に入っている。と言ってもまだ小説は読んだわけではなく(「山海記」というのはどのジャンルだろう)今度も旅の随筆集だ。 「山の子」「海の…