三浦しおんの同名小説を映画化したものだ。以前小説を読んでいたので、話の展開はわかっていた。ずいぶん前の読書だから、本と比べてどうのこうのは言えないが、様々の賞を受けた作品らしく、辞書編集者の苦労や苦悩がよく出ていて、なかなかおもしろかった。
主演の松田龍平がよかった。寡黙で一途な辞書編集者をよく演じていた。実際この役で主演男優賞を受賞したらしい。恋人が宮崎あおい、あと故人となられた加藤剛や渡辺美佐子、八千草薫、それに割と好きなオダギリジョーが出ていた。最近清純さが売りの黒木華がちょっとハスッパな現代娘だったのも意外だ。
最近紙の辞書はどうなっているのか。『大辞林も』も『広辞苑』も『言泉』も書棚で埃を被ったままのわが家同様、今や電子辞書かパソコンかスマホか。紙の媒体の凋落は辞書も同じであろう。
『三省堂国語辞典』の編集者である飯沼浩明氏によれば、1993年当時(皇太子ご成婚の年)1500万冊売れたのが、2012年には600万冊と半減以下、じゃあ電子辞書は売れているかといえば、これも伸び悩んでいるらしい。
映画の『大渡海』は売れたのか。時代設定がいつ頃かはっきりしないのだが、松田龍平がガラケーを使っているから2000年代の初めかなあ。まだ、まあまあ売れたのでしょうか。
本も新聞も紙は厳しいなあと思うが、辞書はともかく本は紙に限るとつくづく思う。
明日から一週間雨模様の天気予報。いよいよ梅雨でしょうか。梅雨の間は映画と読書と洋裁の予定。
蛇(くちなは)やルッキズムはいけません