尾張(犬山周辺)の古墳巡り この二三日のぐずついた天気がスッキリと晴れ、陽気もほどよいことから気になっていた古墳を見に行こうということになる。 東之宮古墳 東之宮古墳は木曽川を挟んで当市の対岸、犬山の白山平山頂に築かれた古墳である。ここが特筆…

行く春

義兄夫妻と義弟夫妻の訪問 連れ合いの兄弟夫妻の突然の訪問である。長兄は連れ合いより五歳年上、弟は五歳下だ。七人という大人数の兄弟で、少し離れていることもあり、日頃のお付き合いは水のように薄い。義父母が亡くなってからは、お互いに元気なこともあ…

春惜む

講演『坊の塚古墳以降における地域首長の動向』を聴く 西村勝広講師 興味深い演題だったので、久しぶりに講演会に出かける。本来は連れ合いも一緒の予定だったが、突然教え子と会うことになったというので、ひとりでの参加となった。以下、市の文化財課の西…

牡丹

世界史が面白い NHKの四月からの新番組「3か月でマスターする世界史」が面白い。毎週水曜日の夜の放送で、すでに三回分が終了した。アジアから世界史を眺めるというコンセプトだ。高校時代、世界史を習ったが、所詮受験勉強にしかすぎなかった。 第1回目は…

蛇穴を出づ

『ロニョン刑事とネズミ』 ジュルジュ・シムノン著 宮嶋聡訳 図書館の新刊棚に残っていたので借りる。帯の惹句に「メグレ警視」シリーズの番外編とある。表題にロニョン刑事とあるが、彼が活躍するわけではない。どちらかというと彼は間抜けな役回りで、事件…

春の海

しまなみ海道の旅 新幹線 往路 マイナーな駅(岐阜羽島)からマイナーな駅(新尾道)への切符手配に苦労したことは、先に書いた。こだま、のぞみ、こだまと二回も乗り換えがある。乗車時間2時間半。外国人の同乗者が多い。 トンネルをぬけて桜やまた桜 尾道…

紫木蓮

映画「リトルフォレスト」夏秋冬春を観る 桜は散り初めだが、木蓮はあっという間に若葉に変わってしまった。昨日は大雨になるというので、急遽花がらを片づけた。濡れればへばり付いて手に負えなくなると踏んでのことだ。前もって手伝いを頼まなかったので、…

巣立ち鳥

旅プラン作りとミステリー 来週にも出かける手筈にした。初めは車を使っての近場でもという気もあったが、「もう何回行けるかわからんよ。行きたい所があるなら今のうちだよ。」というTの言葉を受けて新幹線を使っての旅にした。目的地は「しまなみ街道」で…

本が読めないときの 『続窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子 豪雨の一夜が明けた。いつ以来か、リビングの暖房はエアコンだけ、ファンヒーターは点けなかった。今日は暖かさを通り越して暑そう。花粉の飛来も多いようだ。この所ずっと鼻炎がひどく、春の嬉しさ…

春の雷

門出の報告 かなりの雨の中を娘一家の来訪。正月以来だ。今回は下の孫が大学に入ることと、上の孫の就職先が内定したという報告だ。新しい門出はもちろん喜ばしいが、もうそんな歳になったかという感慨も深い。トシヨリの十年は変化に乏しいが、子供の十年は…

春疾風(はるはやて)

祭のごとく過ぎにけり 異変に気づいたのは、朝ネットを繋げた時である。いつものようにまず、アクセス解析を見て驚いた。だいたい朝のうちはほどんど訪問者がないのが普通。ところが、朝から随分の訪問者、思わぬ外国(ウクライナ)からもある。いやいやどう…

志段味古墳群を見に行く 名古屋市守山区上志段味というエリアには古墳時代を通じて古墳が造られつづけ、66基もある大規模な古墳群となっている。庄内川の河岸段丘上で、この川を利用して勢力を伸ばしたこの地の首長やその配下の人々の墳墓である。 最大な…

春落暉

映画『パーフェクトディズ』を観る 言わずと知れたヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画である。U-NXTで配信されるのが待ちきれず大雨の中映画館に出かけた。家族揃っての鑑賞で、初めての体験だ。 さて、映画である。文句なくいい映画で、今も劇中…

春の夢

『隆明だもの』 ハルノ 宵子著 久しぶり自前で購入した本。ハルノさんの本の面白さは『猫だましい』ですでに納得済みだ。Tと連れ合いと三人で回し読みするつもり。 昨日の朝日の読書欄の平川克美氏の書評に立派なことは書かれいるので、ここではどうでもよい…

雪解

『むすんでひらいて』 玄侑 宗久著 Tから回してもらったものだが、なかなか難しくて半分もわからなかった。 玄侑さんに、哲学が専門という大竹さんがいろいろたずねるという形式で、書かれた本である。「いのち」とは何か、「死」とはどういうことなのかと、…

春日和

『砂のように眠る』 関川 夏央著 関川夏央氏が好きである。岡武さんのブログで知って、図書館の閉架から出してもらった。副題に「むかし『戦後』という時代があった」とある。戦後・・・1950年代後半から70年代始めまでの時代風景の概観である。 小説…

二月尽

『生き物の死にざま はかない命の物語』 稲垣 栄洋著 図書館で自然科学(4類)を借りたのは初めてではないか。以前読んだ『老年の読書』で気になった一冊。 身近な生物(植物も含む)の一生を概観、彼らが「限られた命を懸命に生きる姿を描いた」本である。…

蕗味噌

冷たい雨の一日 雨の日は落ち着いて厨仕事ができる。まあ年中暇人だからいつだってできるのだが…。マーマレードは最近6回目を作ったばかりなので、今日は冷凍をしておいたフィリングでアップルパイをおやつに。昨日笊いっぱいに蕗のとうが採れたので蕗味噌も…

下萌え

『ペンギンの憂鬱』 アンドレイ・クルコフ作 沼田恭子訳 ウクライナの作家である。この本はロシア語で書かれたらしいが、最近の執筆はウクライナ語に変えたと新聞で読んだ。1996年の作で舞台はソビエト連邦の崩壊後。独立はしたものの国家的には混乱が続…

春一番

『道長ものがたり』 山本 淳子著 今話題の「藤原道長」についての本である。巻末にきちんと年表も参考文献もついた学者の方の書であるにもかかわらず素人が読んでも実に面白かった。もちろん書かれるのはテレビとは一線を画した道長の実像だ。 道長は藤原兼…

啓蟄

陶片と古墳、グラスアートを見に 春めいた陽気に誘われて久しぶりにお出かけ。東濃の土岐市と多治見市である。 土岐市美濃陶磁歴史館が、このたび建て替え前の休館に入るということで、収集の陶片2000点の展示会を行っている。 土岐市の元屋敷という古窯…

春の風

近頃観た映画 ヒューマンドラマというのは、「よかったなあ」と思うだけであまり何かを語りたいものではないが、最近観た二本の映画について記録のためにメモすることにした。 『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』 2015年公開の邦画。ただし監督…

春寒し

『歌枕』 中里 恒子著 岡武さんがブログで取り上げていた本。どんな文脈での紹介だったかは忘れた。 古風な文体と筋書である。初めての言葉がでてきた。肉池とは前後から予想ができたが、黄白とはいったいなんだろう。お金のことを言うそうで、初耳である。…

春の雪

『灰色の魂』 フィリップ・クローデル著 高橋啓訳 話は、1917年。ドイツとの国境に近いフランスの片田舎での殺人事件から始まる。川面に浮かんだ被害者は村の料理屋の十歳にも満たぬ末娘。「べっぴんさん」とも「昼顔」と呼ばれた妖精のように美しい少女…

春隣

『日本蒙昧前史』 磯崎憲一郎著 先週今週と、心に引っかかっていた内視鏡検査が終わった。概ね問題はなかったが一部生検があり、詳しい結果を聞くのは今月中旬となる。案じていた胃カメラは鎮静剤の使用を選択したため眠っている間に全て終了、全く苦痛はな…

『友ありてこそ、五七五 』東京やなぎ句会編 多士済済の東京やなぎ句会も、小三治さんの逝去で2021年に終焉したことは既に触れた。出版当時(2013)はまだお元気の方も多いが、宗匠光石さん(入船亭扇橋)が脳梗塞で入院、翌年には変哲さん(小沢昭一)の逝去と有…

『ガザに地下鉄が走る日』 岡 真理著 一昨日の新聞によれば、ガザ保健省は、2023年10月7日からのイスラエルの攻撃での死者は2万5105人、負傷者は6万2681人となったと発表した。1948年のナクバ(イスラエルの建国でパレスチナ人が国を追…

冬木立

『映画 Dr.コトー診療所』を観る 久しぶりに映画を観る。去年公開した映画だ。知らなかったが漫画が原作で、何年か前に前作が発表されているようだ。これは前作の後日談ということで、前作をしっている視聴者には懐かしさもあろう。一言で言えばヒューマンド…

初場所

『十二支動物誌』 宮地 伝三郎著 その2 ネズミ ねずみ算というがそんなに増えるものではない。食料を漁るうえで排他的なわばり制がネックになる。ネズミの特徴はのみのような門歯で一日で0・5ミリも伸びる。目はは駄目だが、耳は聡く口ひげも敏感。鼻につ…

『十二支動物誌』 宮地 伝三郎著 その1 年始のチコちゃんでの十二支についての新知識によれば、十二支は中国殷代に始まり南アジアや中東、遠くはトルコまで広まっているらしい。十二支の顔ぶれは国々で多少違いベトナムではウサギの代わりがネコだったり、…