牡丹

世界史が面白い

 NHKの四月からの新番組「3か月でマスターする世界史」が面白い。毎週水曜日の夜の放送で、すでに三回分が終了した。アジアから世界史を眺めるというコンセプトだ。高校時代、世界史を習ったが、所詮受験勉強にしかすぎなかった。

 第1回目は「古代文明のはじまり」。主にメソポタミア文明を取り上げ、交易の要となった遊牧民の存在がいかに大きかったかを説いた。

 第2回目は「ローマ帝国」。広大なローマ帝国を支えたのは、やはりシルクロードによる交易。(海のシルクロードもあった)関税で得られた富が常備軍を養い、領土を拡大させ、ゆるやかな統治で栄華を誇った。

が、その大帝国も東西に分裂、ゲルマン民族の南下で西ローマ帝国は滅亡した。

 第3回は「世界宗教誕生の条件」。オリエントの厳しい自然環境での統治の条件として宗教が発生する。まず、アケメネス朝ペルシャでのゾロアスター教である。この宗教は一神教(アフラ・マツダ)であり、「倫理」を説いた。こうした骨格がユダヤ教を生み、キリスト教へと広がっていく。ローマ帝国の分裂後、キリスト教ローマ・カトリック教会正教会の分裂となる。

 大雑把な見方かも知れぬが、概観としてはわかりやすい。次回は「イスラム 拡大の秘密」とあるので、時節柄も含め楽しみだ。テキストもあるようだが、あえて買わずにノートを録りながら視聴している。(今はNHK+で何度でも見られる)

 

 さて、一方で最近手にしている本は、司馬さんの『街道をゆく 南蛮のみち1』である。本に集中出来ない時、司馬さんの『街道をゆく』シリーズはいつも助けになる。幸い南蛮編は、まだ未読だ。

 ロヨラに説得されて、もともと哲学志望だったザビエルが、瞑想の果てに回心する件がある。回心とは我が身の罪深さを認め、神に帰依する宗教的体験をいうらしい。瞑想の果ての宗教体験というと、仏教にもあるような気がしてTにそのことを言ったら、即座に否定された。瞑想して神の実存を感じるのと、瞑想して全ての執着を切り捨てるのと、まったく違うらしい。

 司馬さんはザビエルを追ってパリのカルチェラタンからバスク地方に移動する。バスク地方とは、またまた異質なところで、興味が尽きない。バスク語は日本語に似てるというから不思議だ。

 今年の牡丹は、まだ蕾も含めれば、13花も咲きそうだ。咲かせすぎかもしれぬ。

 

 

     ぼうたんのほどけるごとく散りにけり

 

 

ピンク系の競演