映画

行く春

義兄夫妻と義弟夫妻の訪問 連れ合いの兄弟夫妻の突然の訪問である。長兄は連れ合いより五歳年上、弟は五歳下だ。七人という大人数の兄弟で、少し離れていることもあり、日頃のお付き合いは水のように薄い。義父母が亡くなってからは、お互いに元気なこともあ…

紫木蓮

映画「リトルフォレスト」夏秋冬春を観る 桜は散り初めだが、木蓮はあっという間に若葉に変わってしまった。昨日は大雨になるというので、急遽花がらを片づけた。濡れればへばり付いて手に負えなくなると踏んでのことだ。前もって手伝いを頼まなかったので、…

春落暉

映画『パーフェクトディズ』を観る 言わずと知れたヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画である。U-NXTで配信されるのが待ちきれず大雨の中映画館に出かけた。家族揃っての鑑賞で、初めての体験だ。 さて、映画である。文句なくいい映画で、今も劇中…

春の風

近頃観た映画 ヒューマンドラマというのは、「よかったなあ」と思うだけであまり何かを語りたいものではないが、最近観た二本の映画について記録のためにメモすることにした。 『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』 2015年公開の邦画。ただし監督…

冬木立

『映画 Dr.コトー診療所』を観る 久しぶりに映画を観る。去年公開した映画だ。知らなかったが漫画が原作で、何年か前に前作が発表されているようだ。これは前作の後日談ということで、前作をしっている視聴者には懐かしさもあろう。一言で言えばヒューマンド…

年の瀬

今年の三冊 だんだん衰えてきたのか、興味が持てなくて本が読めない。今年は何時もの三分のニほどだ。こんなことで「今年の三冊」もないもんだが、自分の記録として書いておこうと思う。以下三冊。 世界は五反田から始まった 星野博美 縄文文化と日本人 佐々…

木守柿

厨仕事と映画『ぼけますから、よろしくお願いします〜おかえりお母さん〜』 常備菜用に「花豆」を炊き、新生姜でジンジャーシロップを作る。 「花豆」は初夏に信州に出かけた時、八ヶ岳麓の富士見町の道の駅で求めたものだ。水に浸したらびっくりするほど膨…

文化の日

映画を二本観る 『キネマの天地』 どちらも女性が主人公だが、時代も映画手法も大きく違うし、鑑賞した手段も違う。しかしどちらも楽しめて★4つといったところか。 『キネマの天地』は昨日、BS映画で放映したもので、ご覧になった方も多いにちがいない。1…

稲の秋

映画『あなたへ』を観る 高倉健さん最後の映画を観る。お馴染みの降旗康男監督作品(2012年製作)。晩婚で、最愛の妻を亡くした男が、妻の遺言を守ろうと、妻の故郷(長崎県平戸)へ旅をする話だ。旅の途中でさまざまな出会いがある。山頭火の句集をくれ…

大根蒔く

映画『プラン75』を観る 昨年の話題の社会派映画である。カンヌ映画祭でも評価されてカメラドールの次点に選ばれたらしい。(もっともこれがどういう賞なのかは知らない) 高齢化社会に悩む将来の日本が舞台。75歳になったら生死が自由に選べる制度がで…

残暑

映画『繕い裁つ人』を観て縫い物をする U-nextで『繕い裁つ人』を観る。こだわりの服づくりをする女性を描いた作品で、どうということはなかったが、ただ使い捨てでなくて、丁寧に着たいなあという気持ちは伝わった。昔から簡単に捨てないで、いいものを長く…

台風

老人映画 二本観る 最近観た映画より 「八月の鯨」 1987年 アメリカ映画 93歳のリリアン・ギッシュと79歳のベティ・デイヴィスの共演。小さな島で暮らす老姉妹の日常を淡々と描いた作品。昔にも観たが、若い時は退屈だった。今なら老姉妹の寂しさも…

夜の秋

映画『東京家族』を観る 2013年製作、山田洋次監督。ご存知『東京物語』のリメイク版である。設定やストーリーなど大筋で『東京物語』を踏まえている。今の時代の普遍的家族物語という面もあって、なかなかよかった。 ただ、『東京物語』とは明らかに差…

熱帯夜

小津映画を観る 連日の猛暑である。連休を利用して下の孫が受験勉強に来宅、冷房のリビングは終日勉強室である。トシヨリは奥の和室に閉じこもり、暑さで半ボケの頭で映画を観ることに。 小津作品は「東京物語」しか観てなかったが、先日「彼岸花」を観る。…

短夜

映画『生きる』を観る 1952制作 黒澤明監督 カズオ・イシグロ氏の脚本でリメイクされたという記事を読んで、まだ観ていなかった元作品を観た。あらすじについては、周知されているとおりだが、思った以上に社会批判官僚主義批判が前面に出ていて驚いた。…

紫陽花

映画『ドライブマイカー』を観る 濱口竜介監督 2021年制作 U-NEXTで無料視聴ができるようになったので観る。評判に違わず、なかなか見ごたえのある作品だった。 妻の死後、妻の浮気相手によって語られた夫の知らない話。妻には夫がすべて知っているのが…

春の暮

映画『川っぺりムコリッタ』 荻上 直子脚本・監督 雨の日だから花豆を煮て、映画を観る。前にも書いたが、荻上さんは好きな監督で、結論から言えば、今までの作品で一番良かった。 服役の過去を持った山田(松山ケンイチ)は、出所して塩辛工場に職を得る。…

春暑し

映画『お父さんチビがいなくなりました』を観る 昔々講義で、劇中人物が共感を呼ぶには、普遍的な人間像であることが大切と聞かされたことがあったけ。(なんでこんなひとコマだけ覚えているのかしらん) この映画の夫婦(藤竜也・倍賞千恵子)は、まさに私た…

牡丹

映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 』を観る 2019年に公開されたアメリカ映画。次女のジョーが昔を振り返るかたちで話が進み、過去と今が激しく交差する。もとの展開がわかっているからいいが、初めてなら、かなり混乱するにちがいな…

花は葉に

映画『家族を想うとき』 ケン・ローチ監督 雨なので外仕事もできず、この冬11回目のマーマレード作りをする。ひとさまに押し付けたり、冷凍にしたりと作りに作ったが、多分これが最後。もう木にはいくつもなっていない。1回ごとに大ぶりを4個ずつ使った…

下萌え

映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』 信友 直子監督・撮影・語り 85歳で認知症の症状がでだした母を、95歳の父が面倒をみる。それをひとり娘が記録した家族のものがたりである。 新潮社のウエブサイト「考える人」で村井理子さんが絶賛してい…

冬芽

映画『阿弥陀堂だより』を観る 南木圭士さんの同名小説の映画である。2002年制作で、主演の樋口さんも寺尾さんもまだ若い。 都会の激務でパニック障害を病んだ女医美智子(樋口)、夫孝夫(寺尾)の故郷である山村に移り住むことから話は始まる。彼女は…

霜柱

映画『ぼくらが本気で編むときは』 厳しい寒さが続いている。昨日は終日みぞれ混じりの雪で、閉じこもるしか仕方がなかった。午前中はこんな時にと、豆を煮る。滋賀の道の駅で買ってきた「花豆」である。部屋中に立ち込める豆のかおりは、気持ちを豊かにして…