稲の秋

映画『あなたへ』を観る

 高倉健さん最後の映画を観る。お馴染みの降旗康男監督作品(2012年製作)。晩婚で、最愛の妻を亡くした男が、妻の遺言を守ろうと、妻の故郷(長崎県平戸)へ旅をする話だ。旅の途中でさまざまな出会いがある。山頭火の句集をくれた教師上がりという車上狙いの男(ビートたけし)、妻の不倫から逃れるように旅の実演販売に暮らす男(草薙剛)、遭難失踪をして故郷を捨てた男(佐藤浩一)などなど誰もが暗い過去を持ち寂しい。彼(高倉健)もまた、多くを語らなかった妻(田中裕子)の過去に深いわだかまりがある。

 健さんはいつものごとく寡黙で真面目な男を抑制的に演じておられる。それにしてもかなり高齢になられて(多分81歳)、主人公58歳という設定はどうか。哀しみを抱えた男の色気というようなものには無理があると思った。しかし、まあ淡々とした哀しみに満ちたいい話であった。

 午前中三時間ほど家事に励む。ルーティーン以外に、連れ合いが採ってくれた大量の野菜を洗ったり、無花果のコンポートを煮たり、きのこの炊き込みご飯を作ったりした。まだ、新生姜の生姜シロップも紅玉りんごのジャムやパイも作りたいが、手が回らない。

 時々不調に陥る当方に、先日会った旧友は「遊びすぎじゃない」と厳しいご忠告だったが、明後日からまた遊びにいきます。

 

 

        いまさらに新道建設稲の秋

 

 

 刈り取りのすんだ田んぼに土砂を積み上げて、いよいよ新道建設が始まりそうだ。散歩道が切断される。何よりのどかな景色が一変するのは間違いない。