行く春

義兄夫妻と義弟夫妻の訪問

 連れ合いの兄弟夫妻の突然の訪問である。長兄は連れ合いより五歳年上、弟は五歳下だ。七人という大人数の兄弟で、少し離れていることもあり、日頃のお付き合いは水のように薄い。義父母が亡くなってからは、お互いに元気なこともあり、ほとんど交流がなかった。それが突然訪問されるという電話で、最初は良からぬことでもと、驚いたが、幸い用件は良からぬことではなかった。

 最初は兄弟だけでの訪問という話だったが、久しぶりだからとお連れ合いもご一緒されることになった。 連れ合いはともかく、当方は長兄夫妻とは二十年ぶり、義弟夫妻とはもっとお会いしていない。「まあまあ、お懐かしい。お元気で何より」という挨拶から始まって、一時間半ほど。用事を済まし、その場にいない兄妹の消息を話し、三夫婦の集合写真を撮影してお帰りになった。皆、歳相応に老けたというもののまだまだ元気で、ありがたい

 

 ここ三十年ほどお世話になってきた主治医さんから、「来月いっぱいで閉院する」とのご案内を頂いた。彼は連れ合いと当方の大学のサークルの後輩で、近くでもあり、ずっとお世話になってきたし、これからもなるつもりでいた。ベンツに乗り肩を怒らすというようなこととは無縁な内科医だったように思う。それが突然の閉院である。体調の問題らしいが、お互いの歳を思い知らされたようで、寂しい。今月末には最後の診察を受けて、お礼を述べてこようと思う。

 

         閉院の挨拶状や春の行く