木守柿

厨仕事と映画『ぼけますから、よろしくお願いします〜おかえりお母さん〜』

 常備菜用に「花豆」を炊き、新生姜でジンジャーシロップを作る。

 「花豆」は初夏に信州に出かけた時、八ヶ岳麓の富士見町の道の駅で求めたものだ。水に浸したらびっくりするほど膨らんで、まるでカブトムシの幼虫(Tの言葉)のようになった。いつものようにふきのとうさんに教えていただいた炊き方で調理すると、白あんの詰まった小粒のおまんじゅうみたいな食べごたえで、満足する。

 ジンジャーシロップは、連れ合いの作った生姜の活用。甘酢漬けが好まれないのでシロップにする。炭酸水で割れば、ジンジャーエールだが、お湯割りでホットも美味しい。煮出した後の生姜の活用に困るのだが、少しは牛肉と一緒にしぐれ煮にでもしようか。

 

 

 さて、映画である。昨年観た『ぼけますから、よろしくお願いします』の続編だ。すでに娘さんで監督でもある信友直子さんの本を読んで、感想も書いた。(2023・3・15)

パート2としては、病気で入院されたお母さんを、毎日見舞われるお父さんの日常が中心だが、深い家族の絆が感動的だ。お父さんは90代も後半のお歳で、二重になるほど腰も曲がっておられのに、一時間も歩いて病院に向かわれる。自分が手術をなさっても、おっかあより早く死ぬわけにはいかぬと驚異的に回復される。そして最後、お母さんは亡くなるのだが、お父さんの無骨な感謝の言葉がいい。きっとお母さんもあちらで、冥利に尽きると思われたことだろう。

 お母さんが亡くなった後でお父さんは100歳を迎えられたが、今もお元気だろうか。呉市らしい街の商店街に活気があって、地域でお父さんを見守っているという雰囲気もとてもよかった。

 

         停戦てふ微かな光木守柿