文化の日

映画を二本観る

『キネマの天地』

 どちらも女性が主人公だが、時代も映画手法も大きく違うし、鑑賞した手段も違う。しかしどちらも楽しめて★4つといったところか。

 『キネマの天地』は昨日、BS映画で放映したもので、ご覧になった方も多いにちがいない。1986年製作の話題の映画。脚本は井上やすしと山田洋次、監督も山田さんである。松竹映画の記念的作品で、往年のスター達が目白押し。こんな方がという人がちょい役で出ていて懐かしいやら驚くやら。

 田中小春という下町の少女がスターへの道を駆け上がる話だが、その小春役は有森也実。彼女はともかく助監督と覚しき青年の中井貴一がいい。若い頃の彼の映画を観たことがなかったが、実に清新だ。小春の父親の渥美清も相変わらず味がある。そういえば先日亡くなった財津さんも刑事の役で出ておられた。出演者の何人かはすでに物故者ではないだろうか。

 話は大きな波乱はなく、観ていて楽しい。戦争が本格化する前の一瞬の明るさの残る時代だったようだ。

『ケイコ 目を澄ませて』

 こちらは去年公開のドキュメンタリー風映画、U-NEXTで観る。耳が聞こえない元女性プロボクサーの自伝が原作で、ケイコという聴覚障害者の女性の精神の軌跡を追いかけた作品だ。ケイコを演じた女性岸井ゆきのが秀逸だ。聴覚障害があるという役柄なので、全く台詞はなく、すべては身体的表現のみ。加えてボクサーとしての動きが激しい。よほどの鍛錬があったものと思われる。さすがこの作品で彼女は数々の主演女優賞を受賞した。

 ジムの老会長の三浦友和もよかった。彼は助演男優賞を受賞したらしい。

 哀しいが勇気づけられる、そんな話だ。

 

 

       褒章欄に友の名のあり文化の日

 

 文化の日で大勢の褒章受章者が新聞に掲載されていたが、ふと目をとめた欄に友人の名前を見つけた。藍綬褒章である。長い間福祉関係に携われたご褒美であろう。早速お祝いの葉書を書いた。

紅玉りんごでフィリングを作る。お腹いっぱいの日が続いてパイが焼けない。