霜柱

映画『ぼくらが本気で編むときは』

 厳しい寒さが続いている。昨日は終日みぞれ混じりの雪で、閉じこもるしか仕方がなかった。午前中はこんな時にと、豆を煮る。滋賀の道の駅で買ってきた「花豆」である。部屋中に立ち込める豆のかおりは、気持ちを豊かにしてくれる。

 午後もこんな時にと、u-nextで映画を観ることに。好きな荻上直子さんの映画である。荻上さんのは『かもめ食堂』から観始め、『めがね』『トイレット』『レンタネコ』と観てきたが、何か心に響くものがある。ただし、『レンタネコ』はイマイチだったが。

 『ほくらが本気で編むときは』は2017年の作品で、トランスジェンダーとネグレクトが大きなテーマである。暗い話ではない。温かいが哀しい話である。今まで観た荻上さんの作品では一押しである。ベルリン国際映画祭でテディ賞(審査員特別賞)と観客賞をとったらしい。ネタバレになるといけないので詳しくは触れないが、実に良かった。

 昨日の夕刊、「斜影の森から」で福島申二という人が、アメリカ映画『招かざる客』を取り上げ、「自分から遠い理不尽や、遠い人の苦痛に対して、人はたやすく、美しい正義感を抱きがちだ」と書いていたが、人権問題も自分ごととして考えば、簡単なことではない。

 荻上さんの最近のものでは『川っぺりムコリッタ』があるので、これもいずれは鑑賞したい。

 

 

         霜柱マスク暮らしも四年めに

 

 

 

今朝の霜