冬深し

『偽りだらけの歴史の闇』  佐藤 洋次郎著

 少し寒気が緩んできた気配だが、昨日は寒かった。当地は最高気温が3・3℃、おそらくこの冬二番目の寒さだった。閉じこもって居る日は台所しごとにかぎると、この冬四回目のマーマレイド作り。この前の強風でかなり落ちてしまい、落ちたもののうち大きいのを拾ってストックしたのだが、どれだけ活用できるかしらん。まずは、お鍋いっぱいに作って冷凍の一回目。

 さて、午後は上記の本。最近拝読している方のブログに、かなり好意的に取り上げられていた一冊。興味をそそられて珍しく購入する。著者は作家で歴史家ではない。

 惹句に「正史より稗史偽史のほうに真実の歴史が隠れているのかもしれない。」とある。その一文に惹かれたわけだが、「史」というようなものではなかった。記述の系統性もなく、もちろん史料の裏付けもなく、個人的な思いつきを書き連ねたものというのは、失礼だろうか。正直、読み通す気もうせたが、そこは自前で手にした意地というか、けち精神でどうにか読了。

 全体に隣国への苛立ちがめだった。「民族の優位性を競う愚かさ」と言いつつ、筆者がその罠に落ちておられる。当方とて隣国の粘着質には些かうんざりと思うところもあるが、加害者側のこちらは大人の対応をするしかないのではないか。苛立ちのとばっちりで上田正昭さんや司馬さんがやり玉に挙げられていたのは納得できない。「渡来人」という言い方は上田さんが提唱されたようだが、すでに『古事記』などには出てくる言葉らしい。大和朝廷の初期において、「渡来」系の人々が活躍したのは歴史的事実であり、「帰化人」という言い方と比べて、屈辱的とも思われない。海を隔ててはいるが、国同志の垣根は低く、交流は密で、文化も混じり合っていたに違いなく渡来した人々よってもたらされたものもあれば、もたらしたものもあると思う。現に隣国でも前方後円墳が出たというニュースもあったではないか。

 

 

          餌あさる鳥喧しく冬深し

 

 

 この一週間ほどで、お隣のもちの実も、うちの南天の実や蜜柑もほとんど食べつくされた。ヒヨドリたちである。終日キーキーと大騒ぎであった。実がなくなると、畑の野菜にも群がるので、これは要注意だ。ことしはヌートリアも現れてホウレンソウの半分はすっかり食べつくされてしまった。

 

 プリムラ・ポリアンサ

 米屋さんの店頭でひとつ百円。かわいい色と廉価にひかれて購入。