寒波来る

『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー 2』 ブレイディみかこ

 黄色の同名本の続編である。前編ほど話題になっていなかったか、パート2が出たのを知らなかった。

 この本では当然ながら「ぼく」も大きくなって12歳から13歳ぐらいと思われる。イギリスの中等教育の歳だ。経験からいえば、厄介な年頃で口を開けば「うるせぇ」と「うざい」しか言わないか、不機嫌に黙りこんでいる時期。ともかく扱いにくい時期だが、「ぼく」は素直で親ともよく話す。なによりも、ものをよく考えているのに驚く。どうしたらこんないい子ができるのか。親の姿勢がいいのか。学校教育がいいのか。恐らく常に弱者にエンパシイを持っておられる親の姿勢が大きいのだろう。

 著者の本を読んでいると少し前までは「ブレグジット」だったが、今は移民問題、経済格差、ホームレス問題、ジェンダーニュートラルなどなど、イギリス社会の今がリアルにわかって興味深い。首相がころころ代わって、傍目で見ても大変なようだ。二週間ほど前の新聞の寄稿でも、大幅な物価上昇と政府の緊縮策で庶民の不満は大変だとあった。日本と違ってあらゆる職種でストライキが起こっているらしいが、今回のスナク首相が財政均衡派らしいのでどんな結末になるか。

 物語の終章、私学の小学校から公立の中学校に通うことになったいきさつを、母親とは別の価値観でとらえた「ぼく」。著者が言うように、彼女の知らない息子の部分は増えていくにちがいない。

 

       

      列島をがんじがらめに寒波来る

 

 

 

昨夜の寒風はよほど激しかったようだ。甘夏の実がごろごろと落ちていた。

このところ愛用のIpadの調子がよくない。一日でどれくらい開くかわからないほど使っているから、買い換えればと周りはいうが、お高いのである。今のは中古で手に入れて丸三年。元はとれているのだが・・・