『十二支動物誌』 宮地 伝三郎著 

その1

 年始のチコちゃんでの十二支についての新知識によれば、十二支は中国殷代に始まり南アジアや中東、遠くはトルコまで広まっているらしい。十二支の顔ぶれは国々で多少違いベトナムではウサギの代わりがネコだったり、中国ではイノシシではなく豚だったりするという。

 この本はもちろん日本の十二支のメンバーについてのお話である。今回は十二のうち六について初めて知ったことを中心にメモしておきたい。

ウマ

 原生馬はほとんど絶滅。ただ蒙古野馬が純血に近いといわれる。ロバほどの小馬でこの国の木曽馬や都井岬馬、トカラウマは歴史時代に渡来したこの系統。戦争用に大型化が図られた。『魏志倭人伝』には「倭国に牛馬なし」とあるが、貝塚から骨が出る。

タツ

 もちろん架空の生き物。ところが竜骨というのがあり、薬として珍重された。日本出の竜骨はナウマンゾウの化石か。架空というのを嫌ったのか1971年の中国物産展ではパンダに置き換えられたことがある。

サル

 言わずとしれたヒトに一番近い。マウンティングが好き。Tの話では、ヒトはサルから進化したからマウンティングが好きなのだと中沢さんが書いておられたらしい。尻尾を立てるのが優位のシンボルでなにかに付け順位は絶対。トップに成るのは体力。ボスの同伴のメスや子供もいばる。ここがヒトと違うか、群れの危機には身体を張って戦う。

ニワトリ

 これも群れでいると順位をつくる。サルほどは徹底的でなくオスメスの関係などは別らしい。今は十二支の中でもっとも惨めな境遇に陥っている。ゲージ飼いをさせられ大地も太陽もオスも知らず雛を呼ぶこともない。鳥インフルエンザでは大量虐殺もされる。当方トリ歳のメス。同胞を哀れむ。

 むかし、子供が一羽だけメスを飼ったが気の強さに閉口した。ニワトリのくせして随分飛ぶのである.飛んで突きにくるのだ。親と誤認していたTにだけなついていた。卵が詰まったとか何とかで二度ほど医者に連れて行った。Tが小学生から高校生になるまで生きていた幸せな鶏だった。

 

イヌ

 縄文時代からヒトと密接な関係。自分の地位や仲間の優劣に敏感。耳が垂れていたり、尾が巻いていたり、ワンワン吠えるのは家畜化の結果。狩猟習性があり、作業も忍耐強くできる。自分の小屋の近くに糞尿をしない習性があり、つなぎっぱなしで垂れ流しにさせるのは思いやりのない態度。イヌの小便は社会的意味の大きい信号だ。子どもの頃はイヌは何回も飼っていて、今も欲しい気もあるが、散歩が負担になりそう。

イノシシ

 一夫多妻で子沢山。銅鐸にもあるとおり古くから狩猟の対象。ボタン肉といい、美味しいらしい。一度お礼にといって頂いたことがあるが、あまりに綺麗な赤色で食べられなかった。家畜化したのがブタだがへだたりは小さい。ブタコレラなども同じく感染する。目がしょぼしょぼして愚鈍のように見えるが、案外に利口だそうだ。

 

うちはニワトリとサル二匹。娘はイノシシである。

残りはその2でまとめたい。

 

 

       郊外行きバスがらんどう寒真中

 

 

今日は町内の左義長。出かけた連れ合いが帰ってきて「やっぱりいちばんトシヨリの方だ」と呟いていた。

旧友がいつも散歩する公園で蝋梅が咲いていたとライン。わが家も咲いています。