初場所

『十二支動物誌』 宮地 伝三郎著

その2

ネズミ

 ねずみ算というがそんなに増えるものではない。食料を漁るうえで排他的なわばり制がネックになる。ネズミの特徴はのみのような門歯で一日で0・5ミリも伸びる。目はは駄目だが、耳は聡く口ひげも敏感。鼻については記述がないが、去年正露丸の臭いで追い払いに成功した。ネコがネズミを捕るのは、本能ではなく、後天的社会学習らしい。ネズミは嫌われてきたが、実験動物としてヒトに貢献している。

ウシ

 草食動物ではなく本当は食肉性だという。つまり、草を食べるのはウシの胃の中のバクテリアや原生動物でウシはこれらの微生物やその排泄物を栄養源としているというのだ。日本の神話にはウシが出てくるが、土着の原牛を飼いならしたものではなく渡来したものらしい。この国で独自に進化していったものが和牛だが、西洋種の影響を受けていない純和牛に見島ウシや口之島ウシがいる。

 イギリスのチリンガムには野生のウシに近いものが保護されているらしが、本当の原牛は死に絶えた。ウシも今や肉塊生産者になり太陽や大地から切り離されたものもいる。ゲップの問題もあるから肉は食べなくてもよいが、ミルクやバター、チーズも駄目となると辛いものがある。

トラ

 日本にも大昔はいたらしい。犬歯の化石などがでる。韓国は絶滅したらしいが、北朝鮮には今も生息するという。江戸時代まではオスがトラでメスがヒョウだと誤解されていて、狩野探幽の「群虎図」では一緒に描いている。うちには中国人の画家に書いてもらったトラの仔の掛け軸がある。ネコ好きの当方の趣味で仔虎図が床の間にかかり、偉い禅僧の書は陽の目をみなくなってしまった。

ウサギ

 カイウサギとノウサギは全く違うらしい。雑種を作らないから系統的にはかなり古い時期に別れたという。カイウサギはオランダ人によって伝えられた地中海沿岸のアナウサギの系統らしい。ウサギは可愛らしくおとなしく見えるが、群れで飼うと順位争いをして相手を殺すこともあるという。コロコロ糞のほか軟便を出すが、これはなめてしまう。ビタミンが含まれているせいだと考えられている。昔は肉や毛皮を獲ったが、今はどうだろう。子供の頃はウサギの襟巻きをさせられたものだが。連れ合いはほんの小さい頃、飼っていたらしい。やはり業者に売ったという。

ヘビ

 足がないのは進化したからだという。マムシ卵胎生だというのはしらなかった。歴史的にはヒトはヘビを食べてきた。今でも薬にされる。昔、新岐阜駅前にマムシのアルコール漬け瓶を並べた怪しげな店があった。気色悪いと思いながら通った覚えがある。

ヒツジ

 ヒツジとの関係は明治まで疎遠であった。防寒用の毛の利用に無関心であったし、北海道以外風土的にも合わなかった。しかし、世界的には野生のヒツジは10種類以上も現存している。ヒツジは群れを作るのはよく知られたことだ。群れでいると臆病で行動も定型化してしまうが、一匹で飼えばりっぱに伸びる素質があるという経験報告もある。いずれにしても毛糸やウール地以外接点がない。

 

 

         初場所や金星を得て弾む息

 

 

 最近また相撲が面白くなった。元気な若手力士が増えてきたせいもある。被災地出身の大の里という大型力士も楽しみのひとつ。192センチの183キロという。笑顔がなかなかいい。

 先週、先々週に続いて病院。定期検査のCTの結果は問題なかったのだが、一度内視鏡検査と胃カメラを勧められた。いやだと抵抗したのだが、説得されて受けることに。今日検査日を決めてきた。来週と再来週である。なんだか却って胃が痛くなってきたような。

キンカン