『生き物の死にざま はかない命の物語』 稲垣 栄洋著
図書館で自然科学(4類)を借りたのは初めてではないか。以前読んだ『老年の読書』で気になった一冊。
身近な生物(植物も含む)の一生を概観、彼らが「限られた命を懸命に生きる姿を描いた」本である。
切ないのは牛である。子を産んでないメスは最高級の柔らかい肉質で重宝され、子供を産んだメスや乳用牛のメスも役に立たなくなればやはり肉になり、オスは生まれながらに肉用でどんな牛に生まれても最後は肉になる。この本にはないが毎日のようにお世話になっている豚だって同じ運命だ。
動物だけじゃない。この二三日、ガリガリと引っこ抜いた草だって、声はださないが神経めいたもの(カルシウムイオンの電気信号)があると言っていた。(NHK番組 ヒューマニエンス)この本でも雑草といわれる一年草のしたたかな戦略、つまり短い命をリレーすることで種の存続を図っていることを紹介しているが、植物も又生き物である。
仏教では草木悉皆成仏というらしいが、我ら人間はなんと不遜な生き物であろうか。
「いただきます」というのは「いのちをいただきます」ということだと思い返し、心して無駄なくいただきたいと思うことだ。
誤作動を起こしてうるう二月尽
去年より十日もはやい開花。
このところ無防備で草引きをがんばっていたのだが、そのせいか「花粉症」のスイッチが入ってしまった。憂鬱な季節の始まりだ。