『ガザに地下鉄が走る日』 岡 真理著

 一昨日の新聞によれば、ガザ保健省は、2023年10月7日からのイスラエルの攻撃での死者は2万5105人、負傷者は6万2681人となったと発表した。1948年のナクバ(イスラエルの建国でパレスチナ人が国を追われた)以降最大の殺害である。イスラエルはハマースのテロに対する報復だというが、内実はそうでないらしい。去年だけでも6月までに600件のイスラエルによる挑発行為があり、10月までに275人(内子供47人)の殺害があったと岡さんは語る。(IWJの岡さんの緊急講演会)さんざん痛めつけておいて、声を出さざるを得ないように仕向けておいて、殺戮のきっかけにするこの行為を、日本政府も無知な私たちも一時はイスラエルにも理があるように思っていたとはなんと恥しいことだろうか。

 この本は今回の大量殺戮の前に上梓されたものだが、イスラエルによって繰り返し繰り返し殺害された事実、国を追われて難民として苦労してきた事実が書かれている。

 1946年にはパレスチナ人が94%所有していた地は2012年にはわずか8%。ヨルダン川西岸とガザに押し込め、さらには巨大な壁で囲み、完全封鎖して生きる手段すら剥奪、ことあるごとに「芝刈り」と称して殺害を繰り返すのはジェノサイドでなくて何であろうか。

 ガザは230万(2023年)の人々が住んでいて平均年齢は18歳だという。(老人は生きられる世界ではないのだろう)しかし、度重なるイスラエルからの攻撃で若い人には希望がなく、自ら撃たれるのを選んだり、自殺をする人も多いというのだ。

 Tに勧められて読んだが、重い内容であった。涙なしに読めない話もあった。どうしてこんな理不尽なことが咎められることもなく(実際に国際法違反だと言われてもイスラエルは無視し,アメリカはいつもイスラエルを擁護している)続いているのか。今日のニュースでもイスラエルは二国共存を支持しないという。殺戮の先はまだ見えない。なにもできない私たちはせめてこの事実をまやかしのない眼で見据えていくしかないのだろうか。

 

 

                  理不尽な死はまだ続く寒の極

 

 

 今週、来週は検査週間である。まず内視鏡検査で今日から食事制限が始まった。野菜類が全く駄目なのはつらいものがある。