『スットン経』 諏訪 哲史著
「ちっとも読めない」と愚痴っていたら、古友達が「面白かったよ」と薦めてくれた一冊。連休があったり、気がのらなかったりと何日もかかって読了。たまにはなにか書かないとお客さんが皆無になりそうで、意味もない感想を少し。
諏訪さんは芥川作家だがこてこての名古屋人。以前朝日新聞で名古屋弁のバアサンたちの話に大笑いした記憶がある。(ちゃんと『アサッテの人』も読んでます)このエッセイ集も中日新聞と毎日新聞・東海版に掲載中のもので、昨秋までのまとめらしい。
話は、諏訪さん自身が躁鬱病と公言しておられる病の辛さに触れたもの、名古屋弁やらローカルな話題、不寛容な差別な社会や地球温暖化、改憲への悲憤、旅や文学、音楽、映画など趣味の愉しみなどなど、なんかしゃんいろいろ。(そらあ、エッセイやもんね)
読んでみると、どえりゃあ真面目な人やなあとめちゃんこ思う。
だけど、この点だけはちょこっと家族と話し合った。誰が憲法を書き換えるかのくだり。「銃口を向けられても、銃口を向け返さない」「自衛というのは、終わりなき復讐合戦」というところだ。これが書かれたのは2018年当時、まだ理不尽なロシアの侵略はなかった。今のウクライナの現実で、「銃口を突きつけられても銃口を向け返さない」従容と死を選ぶのが人間らしいとは、私としては認め難い。自分自身はともかく身近な人々の命は守りたい。こんなことを言ってると改憲派に取り込まれそうだなあと、平和主義者と思っていた自信は辛くも揺らぐが。
連休中は娘一家が来たり、落語を聞きにいったり、庭仕事に精を出したりして過ごした。世の中が働き始めたので、今日は近江辺りに出かけようと思ったのに、あいにくの天気である。どうもお天気に好かれていない。天気図は早くも「走り梅雨」の様相、風香る五月はだんだん短くなるのかしらん。
今年はお隣のモチの大木で鵙の子育て進行中。子もずがうちの枇杷の木にもやってきた。親がずっと警戒の鳴き声をたてている。
野に山にみどりの神の降臨す
芍薬の季節です。
茅花風
散歩中に見つけた亀