緑陰

『考古学から見た 邪馬台国大和説 畿内ではありえぬ邪馬台国』 関川 尚功著

 リュックに本を何冊も詰めてバスで図書館に行く。重い本もリュックで背負えばなんとか。日傘も差して物売りのバアサンみたいだなあ。

 この前の本に紹介されていた本で、また、「邪馬台国」だ。同年輩で永らく大和の遺跡の発掘に携わった方だが、「邪馬台国大和説」を否定。大和地方の発掘結果を知り尽くしたゆえの否定と読んだ。

 弥生時代全般から庄内期(3C前半)までの大和地域には大型墳丘墓、金属製品は少なく、青銅器も鏡ではなくて銅鐸、首長館と思われる館も見られず、土器は東海地方との交流がみられるが、大陸系の遺物は皆無などなど。北九州地域と比べて、とても当時の先進地・邪馬台国とはみなされぬという考えである。

 全般的に非常に納得して、自分としては「邪馬台国論争」はこれで決着かなという感じだ。

が、筆者も最終章で触れられているが、北九州地域と比べると大きく劣っていたと思われる大和地域に、4C以降突然大型古墳が出現する不思議・・・・・これが今後の関心の的。

 なおこの本では当然ながら「狗奴国東海説」も否定されている。

 

 

                     緑陰や風ここちよき昼さがり

 

 

図書館のある市民公園の緑が美しい。バスの時間まで木陰のベンチで読書。