京都へ行く

 京都国立博物館(京博)の「縄文土器土偶」展を見に行きたいと家族に提案する。「又、縄文かあ」と半ば呆れられながらの京都行き。暑さを考えて曇天の日にしたのだが、近日中最も蒸し暑い日になった。

 京博は2013年のリニューアル以来初めての再訪。特別展ではないので入館料はひとり700円だが、70歳以上と障害者付き添いで全員無料。なんだか申し訳ない気分だ。外国からの訪問者らしき人が多く、Tは早速記念撮影のシャッターを頼まれる。

 

ロダンの像越しの新館

 

 さて、展示品だが、遮光器土偶(少し破損)・結髪土偶火焔土器や蛇文様有孔鍔付土器・銅鐸などなかなか見応えがある。連れ合いが感激したのは犬山市東之宮古墳の出土品が一括重文として展示されていたことだ。東の宮古墳については、少し前詳しいレクチャーをうけたばかりの連れ合いは、写真を撮りたいのにと残念がっていた。当地と木曽川を挟んで向かい合っていた古墳時代の大勢力で、銅鏡十一面など、なかなかの出土品であった。あと、今話題の富雄丸山古墳の出土品もあった。最近出てきた蛇行剣や楯型鏡以外のものだ。

 京博の展示方法は昔と違ったようで、国宝絵画などは常設展示されていないようだ。以前は伝源頼朝像やら、明恵さんの樹上坐禅図、雪舟の慧可断臂図などが常設展示されていた記憶があるが、今回は見られなかった。

 国宝は古今集残巻(藤原行成書)、万葉集残巻(藤原伊房)、手鑑「藻塩草」、平安時代の宝剣、透彫華籠ぐらいであったが、もちろん重文も多く、見応えのある内容だった。

 だいたい一時間半ほど歩き回ったであろうか。上記以外にも「茶の湯の茶碗」展があり。いわゆる名物という茶碗が多数出ていたが、あまり知識もない身としては簡単に鑑賞しただけだ。

 

 疲れ果て腰を下ろして喉を潤したいと思っても、近くに手頃な店舗はない。目の前にハイアットリージェンシー京都があり、そこのイタリアンレストランで昼にする。ビザが美味しいとすすめられたのだが、田舎者の口には合わず、お高いばかりだった。

 

千本釈迦堂大報恩寺)による

 せっかくだからともう一ヶ所だけ廻ることに。ここは、洛中でもっとも古い1227年建立の本堂が国宝である。応仁の乱で焼け残ったというのだが、本堂の柱には刀傷も見られる。ご本尊の釈迦如来秘仏で拝観出来ないが、慶派の仏像がたくさんある。

 京都の喧騒が嘘のように人がいない。締め切って黴臭い収蔵庫で仏様にまみえる。快慶グループによる「釈迦十代弟子像」、定慶による六観音菩薩像が見事。これだけ立派な仏様なのに風も通わぬ黴臭い収蔵庫とはいかがなものであろうか。

 疲れと黴の匂いでそそくさと拝観、外に出ると2時。明るいうちに帰ろうと帰途につく。

 

寝殿づくりの本堂

寺の伝説に基づく「お亀桜」帰りぎわ観光バスが来て、ちょっと賑わった境内。

 

往復300キロ。4時半帰宅。

 

 

         千年の仏や黴の収蔵庫

 

 

名神高速道路多賀サービスエリアの女性トイレ入り口。トイレ内に何箇所も巣づくりをさせています。入り口で出迎える燕くん。人が来ても逃げません。