梅雨晴間

『口訳 古事記』 町田 康訳

 町田康による大阪弁(?)の『古事記』である。面白いのなんのって、破天荒な古事記である。例えば、因幡の白兎とオオクニヌシノミコトのやりとりは

 「あいつら、騙して渡ったろ、と思ったんですよ。あいつらアホなんで」

 「騙す、ってどうすんの」

 「まず、海辺に行ってね、『おーい、サメ』って言うんです」

 中略

 「するとね、サメが怒って、『アホンダラ、わしらの方が多いわい』と言った、そこで僕が、『じゃあ、比べてみようじゃないか。仲間を集め給えよ。』と言うと、アホなんで熱くなって、『集めたら、ぼけ』と言って仲間を集めたんでね、・・・」

この結果がどうなったかは、ご存知のところ。まあ、この会話などは、まだやさしいほうで、全編酷くむさいのである。

 さて、『古事記』はよく知っているようで、神々の事績はともかく「日本統一」から「神功皇后」「応神・仁徳」あたりは、切れ切れな知識しかない。この本ではそのあたりまでしっかりと口語訳されているので、ちょっと勉強(?)にはなった。

 ところでこれは関西弁?河内弁?うっかり大阪弁なんて言ったら、大阪の人に叱られるかなあ。

 

 

 

   採れとれて梅雨の晴れ間のやさい畑