『長い物語のためのいくつかの短いお話』 ロジェ・グルニエ著 宮下 志朗訳
以前、山田稔さんの訳で『黒いピエロ』を読んだことがある。まんざらでもなかった印象があったので、Tに回してもらう。
「陽気なペシミスト」を自称するグルニエらしく、明るい話はひとつもない。宮下さんではないが、「失意の人々、必ずしも人生がうまくいかない人々に寄り添った」話ばかりだ。
中でも、表題を冠した短編はなかなか読ませた。グルニエ自身の生涯を反映しているような、『黒いピエロ』との関連も思わせる小編だ。
あとがきで、グルニエ翻訳者としての山田稔さんについて触れられている。山田さんに遠慮をしていたが、もう翻訳はしないと言われて、この短編の翻訳に踏み切ったとある。
山田さん、相当ご高齢になられたことだろう。
免許更新に伴う「高齢者講習」の案内が来た。、運転はもう一年以上していないし、保険の対象からも外してしまったので、するつもりもない。だからあの不愉快な講習会に行く必要もないのがいい。放りっぱなしで自動失効でいいか、それだけが気になったので免許科に聞いてみた。
もちろん結構ですとのこと。市町村では乗物カードが交付されるらしいが、わが市ではそういう類の特典はなし。
45年以上の運転歴に、これでほんとにおさらば。手元に残っている昔の免許写真をみると、いきいきした顔、一体これは誰かしらん。
南風岬の馬の孤独かな