NHKBS1「大阪・西成ばあちゃんコレクション❗〜人生最後の服づくり」を見る
たまたま見た番組で元気をもらった。見たのは「ばあちゃんたちの服づくり」の再放送である。番組の紹介から転用すると
「大阪・西成に世界も注目するファションブランドがある。手がけるのは地元で暮らすおばあちゃんたち。地域の人々の人生が沁みついた古着を革新的なファションへと生まれ変わらせていく。家族と死別し、社会から孤立していた者も少なくないが、服作りと出会って人生が変わった。そこに忍び寄る老い、そして病。そんなメンバーに『人生最後の服』という新作のテーマが課される。果たしてどんな服を生み出すのか。」
あるおばあちゃんは亡くなった夫の登山帽にヒントを得る。帽子型のポンチョ、それに帽子に付いていた登山記念のバッチを刺繍する。夫の死が辛くて封じ込めてしまっていた記憶が、刺繍をしながら浮かび上がってくる。
ひとりになってピアノを始めたというおばあちゃん。発表会で着るドレスを作りたいという。思いっきりフリルを付けた艶やかなドレスを完成。
刺繍が好きで、たくさんの刺繍糸をストックしていたおばあちゃん。カラフルな刺繍糸を布にプリント。その布でエプロンを作る。
思い出の着物で子供服を作ったひと、もんぺ作りの応用からもんぺと浴衣のをコラボしたものを作ったひと、夫婦で魚屋を営んできたおばあちゃんは、若い頃から何度も作ったエプロンにに挑戦。しかし、体調を崩して制作はスタップに頼むことに。
おばあちゃんだけではない。初めて編み物を教えてもらったおじいちゃん、長いマフラーを完成させてスタップにプレセンドをした。
おばあちゃんと書かせてもらったが、同時代か、さらに年上と拝見した。みんないきいきして素晴らしい。
こんなおばあちゃんたちを優しく指導するのは美術家の西尾美也さんである。「創造を通じて人々を巻き込み、社会変革を促していく芸術行為」らしい。
おばあちゃんたちのカラフルで斬新な一着はデパートの展示会で披露され、ご本人たちは涙を流して感激されていた。西尾さんいわく。「これらは最後の一着のひとつめです。さらに最後の一着のふたつ目、みっつ目と作ってほしい」と。
さて、単純なわたくしは、だらだらしていたら駄目だなあ、まだやれることがあるじゃないかと刺激を受けた次第。いいドキュメンタリーだった。
老木も花さかせうぞ春来たり
乙女椿
この木も老木である。なにしろ子供の頃から大きさが変らない。どういういきさつでここにあるのか、知りたいけれどもう聞くひとは誰もいない。