つくつくし

『養老先生、病院へ行く』 養老孟司・中川恵一著

 テレビの「養老先生とまる」でも採り上げられた先生の病気の顛末を、主治医の中川先生と一緒に振り返った話である。

 病院嫌いの養老先生も身体の不調には勝てず、結局不満ながら医療システムに取り込まれて、今や毎日の服薬もきちんと守っておられるらしい。そうはいっても不満は不満らしく今の医療システムについていろいろおっしゃっているが、私なんぞには中川先生のご意見の方がよほど納得できる。例えば、甲状腺癌は見つけなくてよい癌だとか、子宮頸癌ワクチンは打つほうが良いとか、ちゃんとしたご意見だと思った。

中でも、先々のことを思い煩ってネガチブになるより、「今この瞬間に意識を向ける」というマインドフルネスの勧めが心に残った。先生もおっしゃっていたがこれは禅にも通じる考えだ。

 

 ようやくオリンピックもパラリンピックも終わる。開催には反対署名もしたし、あまり熱心に応援したわけではないが、選手の晴れ晴れしたインタビューや涙を見ると、やはり心が動かされる。特に障害のある人の活躍に励まされるものがあった。

 まだコロナの問題は片付くめどもなく、「一件落着秋の空」といかぬが残念。

 

 

 

 

                 オリ・パラの終わり高らかつくつくし

 

 

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紫苑