『イタリアン・シューズ』 ヘニング・マンケル著 柳沢由美子訳
あの「刑事ヴァランダー・シリーズ」の著者による長編小説である。ミステリーでもサスペンスでもない。「究極の恋愛小説」と言われているらしい。
語り手の主人公は還暦を過ぎた男である。かっては優秀で傲慢な外科医であったが、医療行為で重大な過ちをおかしてから世を捨て離島で犬猫と孤独に暮らしている。その彼の元に昔捨てた癌で余命いくばくもない女性が訪ねてくる。話はそこから大きく展開していくが、詳しい内容はこれから読もうとされる人の興味を削ぐことになるので触れない。
「家族再生物語」とも「人間性回復物語」とも読める。非現実的に思えるところもあるが難民問題など現実問題も反映している。長編だがつれづれにまかせて一気に読んだ。フランスでは二百万部を超えるベストセラーになっていると「あとがき」にある。
この本は図書館で借りたがいつ返すことになるのか。ともかく20日までは閉館で予約受付も一切ストップになってしまった。わが町のの感染者も連日増加。「検査と隔離」しかないというのに政府の動きは鈍い。明後日は病院での診察が入っており気が重い。
ひつそりと家族固まり春惜しむ
ヤマブキとシロヤマブキ。よく似ていますが違う種類です。シロヤマブキには黒い実がなります。世の中の騒ぎとは別に庭の花はどんどん移り変わっていきます。
- 作者:ヘニング・マンケル
- 発売日: 2019/04/24
- メディア: 単行本