露けし

『日本の歴史7 鎌倉幕府』 石井 進著

 夕べは酷い雨だった。八月としては初めて、一時間78ミリという豪雨と雷で、「緊急避難警報」がけたたましく鳴った。これは隣の岐阜市からの情報で、わが家の隣の川は岐阜市との境である。見ればあと10センチほどで溢水状態であったが、たいていはそれですむ。ただ下流の地区はいつも氾濫となり、昨夜も道路が冠水したようだ。それにしても滔々と流れる濁った水は気味が悪く、すぐに窓を閉めた。「避難」と言ったところで、あの降りでは避難などできないと連れ合いと話したことだ。

 

 さて、上記の本である。テレビドラマに触発されたといってよい。昔購入して、拾い読みをした本を出してくる。ドラマのおかげで、登場人物のキャラがよくわかる上に、名著と言われる石井さんの本である。古いから活字が細かいのは閉口だが、読みやすく面白かった。(今は新しい版があるはず)

 学生時代に日本史を勉強しなかったので、歴史といえば権力闘争の側面しか知らなかった。もちろんそれもあるが、この機会に日本の土地所有の変遷と武士の台頭、鎌倉幕府の歴史的意味というようなものが、おぼろげながらわかったような気がする。今更ながらだが、まったく今更ながらである。

 まだ完全読了とはいかないが、この本は承久の乱を経て執権政治の確立まで。鎌倉幕府の後半は第8巻である。この『日本の歴史』シリーズ、あの宮脇俊三さんの編集だと聞く。三分の一は当方が購入、残りはTが買ったのだが、未読のままにしておくのは、惜しい。

   

 

 

 

         石垣にまじる墓石露けしや