『日本神話の世界』 中西 進著
図書館で予約した本がなかなか入らず、Tの本棚を渉猟することが続いている。これも発掘してきた一冊だが、それほど古いものではない。
中西さんによる日本神話の読み解きだ。イザナギ、イザナミ二神の国産みから始まって天孫三神の国創りまで。大筋はよく知っている内容だが、詳細な部分は初耳のこともある。
たとえば、岐阜の美濃市にある「喪山」についての、こんな伝承である。オオクニヌシに国譲りを強制するため天上世界から遣わされた第二の使者は、アメノワカヒコであった。「天上の若きプリンス」(中西さん)ともいう名前のこの神は、地上の娘に魅せられて天命を忘れてしまう。更にあろうことか、様子を見にきた天の使者の雉をも、殺してしまう。使命を怠ったうえに使者までも殺したアメノワカヒコは、もちろん天の放った矢で射殺されるのだが、その喪屋が、美濃の喪山だというのである。
彼を祀った「喪山神社」があるというが、知らなかった。調べてみると昨年秋に訪れた「大矢田神社」の近くで、「大矢田神社」の御祭神のひとりもアメノワカヒコであった。
中西さんは恐らく美濃の喪山に伝えられた伝承(英雄流離譚)が、中央の歴史に入ったのではないかというが、一体どういういきさつを経てそうなったのか、不思議である。
戻り梅雨ともいうべきか、連日の雨である。今朝はあまりに激しい雨音で目が覚めた。あちらこちらで災害のニュースも聞く。加えてコロナの感染拡大。気持ちも晴れない。
裏道にぼんやりと座っていた仔猫。車で近づいたら、慌てて物陰に入っていった。こんな天気では生きるのは難しいかもしれないねと話したことだ。
物陰に隠れし子猫戻り梅雨
雨模様の日が多いせいかキュウリが馬鹿採れ。さすがにどうしようもなく今日はバザーにもっていってもらいました。