春の風

 気温がふた桁になり、Jリーグも始まり、オープン戦の話題も散見されいよいよ春本番の気分。ちょっとした気温の差でこんなに気分がちがうとは、つくづく修行が足りないと思う。もっともそんなのは私だけではないらしく、図書館に出かけたら公園にはかなりの人々。スマホを手にしている人が多いのは例のゲームかしらん。
 借りてきた一冊。よしもとばななさんの「すばらしい日々」。帰るなりすぐに読んだのだが、ばななさんの吉本さんを思う気持ちが切々と出たいい話が何篇かあった。表紙の写真は吉本さんの血糖値の記録ノート。視力の低下した震える手で記録された文字を、父親の生きた日々の身近な証として表紙に残したばななさんの思い。偉大な思想家がこんなにも愛された普通の父親であったことが他人事ながら嬉しい。一年の内に父も母も見送ったばななさんの述懐。「なんとなく暮らしていることこそが・・平凡で切なくて、とにかくすばらしいこと・・・その時私たちはあんな美しい顔をしているだろうか?・・生き様が全部出た佇まいを持っているだろうか。そうであれたらいいと思う。」同感。



     公園は人よろこばす春の風





すばらしい日々

すばらしい日々