春うれひ

「田舎の日曜日」 佐々木幹郎著
 この人の本は三冊目である。同年代でもあり詩人としての名前は知っていたけれど、知っているというだけだった。新聞で「雨過ぎて雲破れるところ」を知り、その後「パステルナークの白い家」を読んだ。
 この本は「雨過ぎて・・」の続編のようなものだ。浅間山山麓に山小屋を持っている筆者。山小屋を中心に気心の合う仲間たちが集まって遊び心溢れる試みがいろいろ。ジャムづくりやコンサート、ネパール風「風のブランコ」、「氷のオブジェ」、草木染め、そして、ツリーハウスを造ろうという企て。試行錯誤を楽しみながらクリの大木を支えに三層の素敵なツリーハウスの完成。
 ああ、こんなふうに暮らしを楽しむなんていいなあと羨ましいかぎり。

 暖かくなりそうで一進一退。何となく気持ちが鬱々して晴れぬ。




     玉川をみにゆくことも春うれひ  久保田 万太郎




田舎の日曜日――ツリーハウスという夢

田舎の日曜日――ツリーハウスという夢


           玉川ならぬ隣の川のカルガモ