風薫る

『挑発する少女小説』 斎藤 美奈子著

 正直、私は少女小説が大好きだった。ここに取り上げられたものの中でも、『若草物語』『赤毛のアン』『あしながおじさん』には特に夢中になった。映画もなんど見ただろう。最近でも「ストーリー・オブ、マイライフ」(若草物語アメリカ2019年制作)、「アンという名の少女」(カナダテレビドラマ)、「赤毛のアン 卒業」(カナダ2017年制作)と、飽きもせずに見ている。何がかくも惹きつけるのか。もちろん郷愁もあるのだが、、それは、総じて元気な女の子たちの成長譚だからといっていいと思う。

 ジョーは貧しく(平均以下という程度だが)アンとジュディは孤児院育ちだ。みんな逆境をものともせず、持ち前の明るさと能力で乗り切って、自分の力で未来を切り開いてゆく。狭い世界にとらわれず、見知らぬ土地で羽ばたいていく。いずれも19世紀としてはかなり前向きな女性像である。だからいまでも支持されるのにちがいない。

 「少女小説は読者を挑発しているのです。子どもだからって、女だからって、あたしを見くびらないでよね。あんたも見くびられちゃダメよ。わかってる?幾多のエピソードはそんな土台の上に乗っていて、ゆえに私たちは少女小説で憂さを晴らし、少女小説に逃避し、少女小説に励まされたのではなかったでしょうか。」

 斎藤さんの言葉はまさに言い得て妙、私も主人公の活躍にあこがれ、胸を晴らし、元気をもらったひとりだった。

斎藤さんによれば、女の子がこんなに惹き込まれた話なのに、男の子たちはほとんど読んでいないらしい。因みにわが家の昔の男の子二人も、読んだことはないそうだ。どれも面白い話だったのにそれは残念なこと。ただ「女だから」という抑圧がなかった人たちは、読んでも惹き付けられなかったでしょうね。

 

 

 

       キッチンカー来てる公園風薫る

 

 

 明日からの連休。のんびりするつもりでいたが、忙しくなりそう。明日は教え子の来訪。明後日は孫がお泊りで勉強合宿に来るという。

 コロナワクチン6回目の案内が届いた。受けるべきや否や。悩ましいところ。

 

 散歩をして近辺の古墳を撮ってきた。風が強く疲れた。

柄山古墳 4C後半から5C前半の古墳 全長82メートル

後円部とのくびれ部分

琴塚古墳 5Cごろの古墳 全長115メートル(県内3位)

周壕内の様子。草木が茂って全体像ははっきりしないが、造りだしがある。未発掘。