数へ日

 


空海はいかにして空海となったか』 武内  孝善著

 これもTの積読書から発掘してきた一冊である。「空海」については司馬さんの『空海の風景』を読んだ覚えがある。司馬さんらしく言えば、なんと晴れ晴れとした風景であったかと感動したことを思い出す。それと比べればこちらは学術書であり、私の能力には余るところがある。古い文献や仏語などは訳注を読み、大づかみに理解したという程度であるが、天才「空海」の前半生を辿ることはできた。

 私はこの本で奈良時代史に出てくる僧の玄昉や道鏡石上宅嗣らが母方の一族であり、あの智証大師・円珍は父方の甥ではないかということも初めて知った。まさに天才家系である。「空海」は往きも帰りも嵐にみまわれたが、幸運にも多くの仏典などを持ち帰った。若き日の奇瑞体験といい、師恵果和尚との出会いといい、大いなるものの加護にも導かれたような人でもあった。灌頂の「投花得仏」で目隠しをして曼荼羅に投げた花が、二度とも毘盧遮那仏(宇宙の根本仏)の上に落ちたそうだ。

 最近は読まれないようだが、もう一度『空海の風景』を読んでみたくなった。

 

 数え日となり、気分的に落ち着かない。家族で楽しみに見ていた「こころ旅」がどうやら終了らしい。火野さんの年齢を思えば過酷すぎる旅で仕方がないが、とても残念。後、楽しみは「ブラタモリ」くらい。

 

 

 

 

          数へ日や数へ直して予定組む

 

 

 

 

空海はいかにして空海となったか (角川選書)

空海はいかにして空海となったか (角川選書)

 

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 さきほど「こころ旅」のブログを見たら、「『2021年 春の旅』決定」とありました。超うれしい。