秋ともし

 懐かしかったこと、二題。
 ひとつは高校時代の友人Kさんが半世紀ぶりに我が家を訪ねてくれたこと。きっかけは久しぶりのKさんからの便り。「そんなことならうちに来て」ということで、会ったことでも四半世紀ぶり。用事のための訪問で、じっくりと話は出来なかったけれど、彼女の真面目でさっぱりとした気性は変わらず。意気投合した昔を思い出す。
 もうひとつは、人ではない。写真で掲載した彼岸花。十年ほど前、仕事場の前の歩道の舗装を割って咲いていた彼岸花。過酷な条件で咲いているのが哀れで、引っこ抜いて我が家の花壇に移植したのは小さな球根。すっかり忘れていたが、花を咲かせた。

 今日は晴れると思いきやまた曇天。秋空が遠い。


     寂しきも寂しさなきも秋ともし



ど根性彼岸花