蛇穴を出づ

『古代史紀行』  宮脇 俊三著

 鉄道作家(こういう言い方があるかどうかは知らないが)の宮脇さんによる史跡探訪紀行シリーズの最初の一冊である。宮脇さんであるから約三十年以上も前と、もちろん古い。私も再読であるが、詳細はすっかり忘れているから面白く読んだ。

 さて、話は『魏志倭人伝』に因み対馬訪問から始まり、道鏡左遷の地である下野薬師寺跡までの五百年が対象である。読んでいると宮脇さんが廻られた頃と比べれば考古学的な発掘、研究、資料の整理などはかなり進んでいて、今ならこうなんだがと思うところも少なくはない。が、愚直なまでに年代順にこだわった史跡巡りで歴史のおさらいがしっかりと出来る。それに今は何もなくてもともかく往事に想いを馳せて関連地を訪ねるという姿勢にはロマンがある。私も古代史好きでたいていの史跡は訪ねてきたが、ここまで丁寧ではない。最近でかけた高岡や淡路島でも越中国府跡や淳仁天皇陵はカットしたのだが、この本を読んでいると寄ってくればよかったと思う。

 もう少し元気になったら奈良の櫻井や天理の辺りの古墳を廻ってみたい。古墳巡りなんてともかく歩けなければだめなのだからまずは足腰鍛錬から。このシリーズの三冊目で宮脇さん自身が足腰の弱りを嘆かれていたのだけ妙に記憶に残っている。続きを期待していたのに三冊目で終わってしまったからかもしれない。

古代史紀行 (講談社文庫)

古代史紀行 (講談社文庫)

 

 去年の師走以来行ってなかった髪のカットに行く。やっと少し座れるようになったのだがコロナのこともあり躊躇していた。伸びすぎて如何ともしがたく出かけたのだが美容院もさすがに空いていた。マスクのゴムをテープでほっぺに止めるという方法でマスクを付けたまま作業をしてくださったのには感心。

 

 

 

 

           蛇穴を出で田舎道行く自由

 

 

 

 

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 牡丹が咲き始めました。まずは紅牡丹。