『日本史の輪点』 中公新書編集部編

 お経の本ばかり読んでいたから、少し目先を変えたいと思い読み始めたもの。いつもながら古代史から中世前期までは興味深く進むのだが、室町に入ると突端にいけない。ちょっと跳ばして江戸へ、近代(明治・大正)もとびとびに齧って現代という有様。まあ、いくつかの最近の知見を断片的に勉強したというところ。

 以下、心に残った思わぬところ。現代史の「吉田路線は日本に何を残したか。」ー宮城大蔵氏ーのくだりである。

「『一等国』『歐米以外で唯一の列強』といった拠り所を敗戦で失った日本にとって、戦後吉田路線の結実ともいうべき『世界第二の経済大国』が国際社会におけるアイデンティティーとなった。・・・(しかし、経済的にも今や落ち目の日本の)現在の重要な論点は・・・『経済大国』に代わるアイデンティティーはいかなるものになるか、という問いへの答えであろう。」

 折しも今日の朝日新聞論壇時評でも言及されていた「内向きなニッポン」への危惧。「環境問題」も「人権問題」もどこか遠いこの国の先行き、世界でのアイデンティティーは一体どうなるのであろうか。まあ、先行き短いバアサンがやきもきすることではないけれど。

 

 今日は母の忌日。既に没年齢を遥かに超えて半世紀、遠い遠い記憶になりつつある。おそらく自身の中で一番古い記憶のひとつが、夜の雪道を負われて帰ったことである。重かったのか神社の軒先を借りて負いなおされた時のこと。かなりの雪だったような記憶もするが、後で勝手に脚色したのかもしれない。

 

 

 

       母の忌や雪の夜道を負われしこと

 

 

 

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昨日のことですが、時雨て虹がでました。

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窓辺の水栽培、かなり蕾が膨らんできました。