『中途半端もありがたい 玄侑宗久対談集』
対談集というのはやや苦手である。対談する二人の会話のテンポや水準についていけず、読んだという充足感がもてないことが多い。今回もそれは同様で、わからないところはわからないままに読んだというところである。
玄侑さんと十人の方の対談集である。対談途中に震災があったようで半分は震災前の、半分は震災後のものである。当然ながら話題もがらりと変わる。
震災後の対談相手は山田太一さん、中沢さん、佐藤優さん、日野原さん、山折哲雄さんで「これからどうあるべきか」という話になる。
豊かさの水準がすぎている。 足るを知る暮らし。
巨大システムに頼らない。 自然と戦わず共生する。
自然エネルギーをメガで考える危うさ。
差別される沖縄と福島。 信用できない政府。 分割された自治。 小さな自主組織。
無常を知り適応して生きる。 頑張りすぎず、ぐずぐずと生きる。
あれから七年。あれほどの災害を越えて日本は何か変わったであろうか。もちろん私自身への問いかけでもある。
追憶のくり返されておぼろかな
- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2012/10/08
- メディア: 単行本
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