春の鵙

 この頃、陽気のいい日には二時間ばかり外仕事。春落ち葉はしきりで、草は見る見る丈を伸ばす。草引きに夢中になっていたら、間近に鵙がやって来た。掘り起こされた虫がお目当てだろう。あまりの近さにびっくり。カメラがあればと、悔やまれる。チッチッと舌打ちをしてみせると、なんだろうと言わんばかりに小首をかしげる。思わぬ福を賜った。
 Aさんに昔、竈で使っていた古御釜を貰ってもらった。その御釜で筍を湯がいたからと、茹筍を頂いた。Aさんのところはまだ竹藪も竈もあるらしい。鉄の御釜でじっくりと湯がいた筍は味が違うとAさんの弁。早速今夜のお楽しみ。


     時折は土に親しみ春の鵙

花蘇芳