二十四節気の小寒。寒の入りである。これからひと月、立春を迎えるまでが我慢のしどころ。日常が戻ったら戻ったで何か当てがあるわけではない身は、寒いと暇を持て余し気味。
「日本人は何を捨ててきたのか」年末から読んでいて一応読了。だいたい対談本という形式が苦手なうえに、我がお粗末な頭脳では鶴見さんと関川さんの話の展開に追いつかず。それでも、「黒船以前は『個人』がいた」という一説はわかる気がする。江戸時代の個人が明治維新を成し遂げたが、彼らが作った教育システムが個人を潰したのだそうだ。「一番病」がいけないと東大が槍玉に挙げられていました。そういえば、最近にはメルトダウンを起こしても切腹をするでもなく資財を投げ打つでもなく何の責任も取らないエリートたちがいましたが、こういうのは「個」としての矜持はないのでしょう。
でも、鶴見さんによれば「必要が個人を作る」と、未来には明るいようです。鶴見さんは沖縄に期待していました。
王朝の恋はね上げて歌留多会
日本人は何を捨ててきたのか: 思想家・鶴見俊輔の肉声 (ちくま学芸文庫)
- 作者: 鶴見俊輔,関川夏央
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/10/07
- メディア: 文庫
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