八月

 長崎の原爆忌。先月読んだが井上光晴「明日」を思い出す。この時期は毎年戦争に関する書籍を読むことにしているが、今読んでいるのはフランクル「夜と霧」。
 昨日は大きなニュースがいくつもあったが、第一は天皇の「お言葉」。市民感覚から言えば、退位してゆっくりしていただきたいと思うのが普通だが、そんなに簡単なことでもないらしい。退位という行為が政治抗争に利用されてきたという歴史が現行の制度を作ったというのだ。今の制度が一番安全だという意見もあった。難しいものだなあという気持ち。
 二つ目。イチロー選手の快挙。インタビューで代打で結果を出していく大変さに言及していたが、それでも成し遂げた凄さ。
 サッカーはもう少しだったのに残念。
多治見は全国一の暑さで39・7度。それでも法師蝉の鳴くのを聞いた。夫はもう四・五日前に聞いたというが私は初めて。毎年のことだがこれが鳴くと、夏の終わりが近づいたと思う。


     八月や死者は静かによみがえる


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