また歳時記が戻ってしまったが掲載句の都合上ご勘弁を。原石鼎の句ではないが庭の蜜柑の木の下で青鷺がぼんやりしていた。全くぼんやりとしかいえない風情でかなり近づいても逃げない。怪我でもしているのかと思ったほどだ。我が家は川の隣だから大檜のてっぺんに鷺がいるのはよくあることだが庭にいたのをみたのは初めてだ。今日の陽気に日向ぼっこかしらん。

 寒い寒いといっても着実に春は近づいているらしくいつもこの時期に現れるシロハラもよく見かけるようになった。

 

 

 

 

   雪に来て美事な鳥のだまり居る   原 石鼎

 

 

 石鼎の見た鳥はなんだろう。庭などではなく雪原などに飛来した鳥を想像したらいいのか。だが遠景ではないだろう。清水哲夫は「増殖する歳時記」の中で「石鼎は美事な鳥をみていないのではないか」という。「美事」といい「だまり居る」といい存在感はあるのだが実感がともなわずその点で胡散臭いと評している。

 

 

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