旧友に習ってウオーキングを始める。もっともまだ体慣らしの程度で大股速歩で15分程度である。始めた昨日は春めいた一日で歩くのには好都合だったが、今日は冷たい風が強い。花粉も飛散してるだろうなと躊躇してしまう。いきなり中止も情けないとマスクに防寒で出かける。帰ったらカレンダーに◯をつけまずまずである。
『陰謀の日本中世史』 呉座 勇一著
少し前『応仁の乱』で名を売った気鋭の歴史学者による話題の本である。巷に流布する陰謀論というか俗説を学者の視点から一蹴するという内容である。陰謀を解き明かすというものであるから時代時代の人間関係が複雑すぎて読みづらい。正直なところ食指のが動く戦国から読み始めて平安末・鎌倉と進み、まだ室町が読めてない。
ここまでで私なりにわかったことは
まず光秀の挙兵・本能寺の変は全くかれの「突発的単独犯行」つまり場当たり的思いつきであったということ。来年の大河ドラマは彼が主人になるらしいがどう描かれるか見ものである。
ふたつ目にわかったことは頼朝と義経の確執から義経追討に至る一連の出来事である。筆者は「腰越状」や「後白河天皇の陰謀説」も否定する。兄に不満を持つ義経が叔父行家の謀反に同調したのが発端だという。頼朝追討の宣旨を執拗に要求したのも義経側であり、後白河は「保身のため便宜的に発給した」というのが本当らしい。結局義経の挙兵は水疱にきし悲劇の結末をたどるのだが、その悲劇性が様々な俗説を生んだのは間違いないようだ。
みっつ目というほどではないが「鹿が谷の陰謀」は実際はなかったらしい。これはそれこそ清盛の陰謀だとしている。ならば俊寛は罪なくして流されたと言うべきか。
それから源実朝が甥の公暁に暗殺された事件だが、公暁をそそのかした首謀者はわからないそうだ。とにかくこのあたりは権力関係が複雑すぎる。
さて、いずれの時代にも権力を手中に収めるためには、親であり兄弟である血の繋がりにすら情け容赦ない。全く人間というのは愚かなものだ。
枯れしもの流してはやき春の川
- 作者: 呉座勇一
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/03/09
- メディア: 新書
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我が家もやっと椿が咲き始めました。