「はつ恋」 ツルゲーネフ著
こんな古い本を出してきたのも、近頃は読みたいものがなかなか見つけられないから。図書館の書棚を見回しても小説家も俳人も歴史家も目に付くのは故人ばかり。好きだった人は大方鬼籍に入ってしまわれたのは、こちらも歳をとったせいか。
先日何かの書評欄に上がっていたので思い出して読むことに。昔々学生の頃、読んだはずなのに何も覚えていない。多分ストーリーだけを追ってそれで終わったにちがいない。今だってたいしてかわりはないのだが、歳をとっただけにジナイーダの軽薄さも残酷さも身勝手さも若い女性の一面としてうんざりするほどよくわかる。こういうのを男性の目から見てありありと生き生きと描いたのだから、やはりツルゲーネフは凄い。
ところで、最終節の最後の部分がどうもわからない。貧しい老婆を送った後の述懐である。この辺はかれの宗教意識が書かせたところだろうか。書かずもがなという気がしないでもない。
今日、「半夏生」。半夏(カラスビシャク)の生える頃。一気に蒸し暑くなり階下でも冷房初入れ。
H殿の西瓜初収穫。トマト・茄子・胡瓜・万願寺と続々と食べ頃。
蝉の初鳴き。我が家では去年より一日早い。
七月の青き水ゆく竹の奥 石原 舟月
- 作者: ツルゲーネフ,神西清
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1952/12/29
- メディア: 文庫
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