冬ぬくし

『縄文聖地巡礼』 坂本 龍一・中沢 新一著

 昨日、五回目のワウチンを受けてきた。感染拡大が意識されだしたのは三年前の1月、入院中のことだったから今にまるっと三年である。まだ鎮静化する気配なく、第八派かとも言われている。先日髪をカットしてくれた美容師さんは、一度感染したし、もう注射はいいかなあと。今回は初めてかかりつけ医で個別接種を受けた。ファイザーだったせいか腕の痛みがより軽いような気がする。

 さて上記の本である。縄文好きの身だから表題に惹かれてTの本棚から拝借してきた。確かに聖地の写真も多いが、あんに反して二人の対談は難解。私ごときには手に余る。どこもここも魅力的で訪問したこともあり、最後まで読み通したが、どれだけ分かったことか。

 「縄文の研究は過去だけでなく未来を照らす可能性がある。」

中沢さんの言葉だ。二人は縄文への旅を通して、現代文明が包括する商業芸術、科学技術などに対して、別の在り方があり得たのではないかという問題意識をなげかける。もちろん現代文明が間違った方向に陥っているという前提である。

「手につかめる感触として日本列島の中に残っている」可能性。「観念じゃなくて肉体的感覚で、日本人の限界を拡大、突破できるものが、じっさいに足元にある」と二人の主張は熱い。

 なお、二人が訪れた聖地は、諏訪、若狭・敦賀、奈良・紀伊田辺、山口・鹿児島、青森である。日本の精神の古層に触れるには、この中では諏訪が一番かなという気がする。諏訪訪問記は、このブログでも書いている。(2019・6・06 郭公)

 

 

 

          冬ぬくし先へ先へと誘ふ蝶

 

 

 

ナンテンハギ   綺麗な色です。滋賀の野道で見かけました。うちのあたりでは見られません。