帰り花

湖北に紅葉を見にいく。

 そろそろ平地の紅葉も見頃のうえ、気持ちよく出かけられる暖かな日も残り少ないかなと、急遽紅葉狩りに出かける。できるだけ人の少ない穴場と思って出かけたのだが、正解。静かな紅葉狩りで堪能した。

 目的地は近江の孤篷庵。小堀遠州ゆかりの寺である。北近江の山懐にある小さなお寺。小堀家の菩提寺である。ひつじ田が黄金色に輝き、美しい。参道から寺内へ既に落葉も多いが、まだまだ見られる。

 

     陽をあびて風なき風に散るもみぢ

 

 

 

 お寺を辞して道の駅「浅井三姉妹の里」で昼食。この辺りの特産か、自然薯のお蕎麦。

 昼食後、せっかく来たのだからと渡岸寺の十一面観音さまにお会いしようということになる。この観音さまは今回で四度目である。最初はこの観音さまが一番という姉に勧められて一人で来た。時雨れる寒く暗い日だった記憶だ。その後家族で二回。いつ拝顔しても素晴らしいと思う。今回は24年ぶり。収蔵庫が大きく立派に変わっていた。そして、観音さまはいつもどおり、一歩足を踏み出し、たおやかに立っておられた。

 時間はまだ早いので、高速を使わずに帰宅しようということになる。これが正解。伊吹山の麓をぐるりと廻る道で、見事な伊吹山に遭遇した。わが家から遠望するお山と違って西側は荒々しい姿である。石灰岩を切り出しているせいらしい。おまけのような伊吹山の姿に満足して帰路へ。

 

 

 

         観音へ思いをあらた帰り花

 

 

 

帰り花