おしろい花

『庄野 潤三の本 山の上の家』 庄野 潤三著

 新聞の土曜版に「夏葉社」が取り上げられていたので、図書館の在庫本を検索して、この本を見つける。

 一時期庄野さんを片っ端から読んでいた。庄野さんの書かれる暖かく穏やかな家族像が好きだった。同じようなコアなファンは多いようで、このような「山の上の家」の写真集も人気があるのだろう。なんでも年二回住宅開放もあり、ファンの集いも続いているようだ。

 主も亡くなり、奥様もご次男も鬼籍に入られたという。まさに作家自身が思い巡らしておられたように、亡くなってしまわれた今、いくつかの作品は「生きていることは、やっぱり懐かしいことだな!」という切ない思いを胸に起こさせる。

 「日本のかおりのようなもの」と言わしめた『夕べの雲』は、須賀敦子さんの手でイタリア語に翻訳されたという。もう一度読み返してみようかな。忘れていたものに出会えるかもしれない。

 

 

 

 

 

      思い出はおなじところにおしろい花

 

 

 

 今年は三年ぶりにお盆に娘一家が墓参りに来るという。どうするか気にしていたが、トシヨリ二人はワクチンを接種したからと伝える。もう水遊びも蝉取りもしないけれど庭花火はどうするかしらん。

オシロイバナ