『天野忠詩集』 天野 忠著
小舟
若い人は物持ちだから
あたりの景色も見ずに
どんどん先に行くのもよい。
老人は貧しいから
物惜しみをしなくてはならない。
生から
死に向かって
極めてゆるやかに
自分の船を漕ぎなさい。
あたりの景色を
じっくりと見つめながら
ゆっくり ゆっくり
漕いでおゆき、
めいめいの小さな舟を。
春本番。花々が一挙に開き出した。花粉を恐れながらも花を撮って歩いた。紅梅以下はうちの花。
たも持ちて漕ぎゆく子らに水温む
じゃぶじゃぶと川をこぎながら、子どもたちが魚掬いをしてました。入るのは泥ばかりのようでしたが、水遊びが嬉しいのでしょう。