水仙

『すごいトシヨリ散歩』 池内 紀・川本 三郎著

 最初、池内さんの『すごいトシヨリBOOK』と混同していた。「同じじゃないよ」とTに教えられてよく見たら、こちらは川本さんとの共著であった。

 池内さんがお亡くなりになる寸前までの対談を含めた内容。お互いの愉しみ、旅であったり、音楽であったり、本であったり映画についての醍醐味や薀蓄を語り合ったもの。当時池内さんはすでに後期高齢者で、川本さんは四歳下。いきおい年齢相応のボヤキも交じり、思い出話が多くなる。

 岐阜の話が出てきたのはなんとなくちょっと嬉しかった。長良川沿いの街並みが美しいという件である。戦災に会わなかった川原町辺りのことだろうか。お勧めの街はメモしたので、こちらが元気だったら訪ねられるかな。

 二人の子供時代の読書遍歴にケストナーの『飛ぶ教室』が出てきたが、これは未読だと気になった。Tに聞いたら、家にあるというので出してもらう。ホームズやルパン、『ああ無情』などはこちらもよく読んだ。最近NHKで「ホームズ」が再放送されているから、毎回録画して連れ合いと見ているが、懐かしい。「まだらの紐」とか「踊る人形」とか、ドキドキしながら読んだものだ。

 

 昨日今日と終日雪もよう。報道によれば、岐阜市の積雪は13センチとか。とんだ「立春」である。オリンピックはさほど興味はないのだが、岐阜の人がメダル候補と盛んに言っていたので、それなりに気にしていた。幸いモーグルの青年はメダルを取れたが、スノーボードの少女は実力が発揮できなかったようで残念。ここぞというときに実力どおりにできるのは難しいものだ。当方なぞは駄目な方だとつくづく思う。

 

 

 

 

       ふか雪の水仙折れしまま香る

 

 

 

 

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