虎落笛

『友あり駄句あり三十年』 東京やなぎ句会(編)

 面白くてためになり、いい本だった。個性的なメンバーの飄逸な話もさりながら、なかなか皆さんいい句を詠まれ、さすがだなあと感心しきり。東京やなぎ句会の存在は、小沢昭一さんや江國滋さんの本などで読んではいたが、この本には三十年の歴史が詰まっている。(1999年10月当時)ここで352回というから息の長い集まりだ。が、この句会も今年の10月でその長い歴史を閉じたという。10月に小三治さんがなくなり、もともとの会員が矢野さん一人になったからだそうだ。淋しいことだ。まあ、この本はみなさんがまだ元気なころの句会の話。それでもすでに三人の物故者がある。

 今日の新聞に今年「亡くなった方々」の一覧があった。あの人もこの人も今年であったかと感慨も新た。相応の年齢の方はともかく、神田沙也加さんのひときわ若い享年はいっそう痛ましいことだ。

 

 

 

 

        一段と早き行年虎落笛

 

 

 

 

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