奈良を訪れる
奈良に行ってきた。奈良といっても天理市の辺り、初期ヤマト政権の発祥の地である。コロナ禍の収まった今しかないと無理を言った。今回は日帰りでもあり運転手は大変であったと思う。結果的に休み休みではあったが、往復で7時間、滞在は4時間であった。
天理東ICを出て、最初に訪れたのは「石上神宮」。御祭神はフツノミタマ。物部氏の総氏神である。有名な七支刀(国宝展で見たことがあるが、常時公開しているわけではない)を持つところで、古代史では兵器庫があったと読んだことがある。鬱蒼とした森で石塔に灯が入り厳粛な気分になる参道だ。残念ながら国宝の拝殿は修復中。山の辺を歩いてきた方が休憩していたり、小学生の写生会をしていたりと境内は案外明るい。
昼食 蕎麦がき屋
ひとつお参りしたらもう昼である。昼は5年前に寄って美味しかった蕎麦屋さんを再訪することに。5年前と同じところで続けておられたが、えらい繁盛である。開店30分後に訪れたのだが、名前を書いて車で待つように言われる。次々に待つ人が出てきて、あきらめて帰る人もある。待ち時間やく30分。ようやく入店。鰊付きのざる。十割の新蕎麦で、実に美味しい。5年前はお母さんとおぼしき年配の女性と若いご主人だけだったが、今回はお嫁さんかな?女性とお手伝いの人に変わっていた。前回は客も少なく声を交わした覚えがあるが、今回はコロナ禍でもあり黙って失礼した。
先日中沢さんの本でも読んだ大神神社に寄る。再訪だが、前回は拝殿の修復中だった記憶しかない。参道始めの大鳥居が並の大きさではない。
御祭神はオオモノヌシノオオカミ。出雲の神様である。出雲の神様がヤマト王権の発祥の地に祀られることになった訳は古事記に詳しい。もともとは三輪山信仰で、神体山の三輪山を撮りたいと思うのだが、世俗的雰囲気がはなはだしく撮れるところがない。
拝殿。江戸時代の建立、重要文化財。七五三のお参りの家族も。
少し離れたところからの三輪山。
連れ合いが「せっかくだから箸墓も寄ろう」という。陵墓参考地で立ち入りはできないし、小山を見るだけなのだが、寄る。前方と後円のくびれのところまで歩く、連れ合いは後円部の端まで行って戻ってくる。名前のわからぬ草が赤い可愛い実をびっしりつけ、キチョウが乱舞していた。
黒塚古墳
少し前のNHKの番組で「いちおしの古墳」と言っていた黒塚古墳に行く。今回の旅の一番の目的のつもり。まず併設の古墳史料館へ。天理市の施設で無料である。無盗掘であった古墳内の再現と出土品のレプリカ。ここは33面もの三角縁神獣鏡が出たことで有名だが、みんなレプリカなのは残念。施設の向かいに古墳があり、登れるというが疲れたので写真だけに。
長岳寺の地獄絵
最後に崇神天皇陵近くの真言宗のお寺、長岳寺へ。ちょうど狩野山楽の「地獄絵」の公開中とかで期待したのだが・・・。御住職の絵解き中で間近に寄れずはっきり見られなかった。絵解きは面白かったがなにせ時間がなく、申し訳がないが途中退席。写真は楼門。弘法大師創建当初の唯一の建物という。昔は大寺だったが、例の松永久秀が焼いたそうである。
「長岳寺トレイルセンター」の猫さん
寺をでたのが3時10分。帰りは京都まわりで帰ることにしたが、高速に上るまでが大変で時間がかかった。自宅到着19時30分ごろ、運転手はほんとうにご苦労さま。当方にしては久しぶりに一万歩以上歩いた。これで疲れて熱がでなければ、まずまずである。幸い今のところは大丈夫のようだ。
玉砂利にまじる椎の実数知れず