夕虹

 『東京焼盡』  内田 百閒著

 連日の猛暑で散歩もままならず。ワクチンは打ったもののコロナ禍は収まらず、オリンピックもいまいち気が乗らぬ。そこに加えてこんな本を読んでいると余計に気が滅入る。そう思いながら読んでいるから世話ないが、どうにか半分ほど読了。

 これは、百閒さんの日記から空襲関係だけを引き抜いたもので、例のヒマラヤ山系さんの手によるものらしい。

 東京に空襲らしいものが始まったのは昭和19年の11月1日で、最初はほんの数機だったが、日増しに数を増していく。百機単位になり連日夜間の襲来で、寝付いては警報でおこされるという始末、12月7日には「東海地震」もあり静岡方面はたいへんなことになったというニュースも入る。それでも百閒さんは日本郵船にお勤めで(嘱託だったらしい)不定期だが出勤されている。よほどよほどお酒が好きらしく(これはどう思ってもアルコール依存症と思われる)配給のお酒だけでは足りずに、あちこちに頼んで分けてもらい、3月10日の大空襲の後、2合余りのお酒を工面されてきた奥さんを「烈女なり貞婦なり賢婦なり」と褒めておられる。食ベるものも底をついてきて、借りたり闇で買ってもらったりしても、粥腹である。3月10日の大空襲では内田家は焼けなかったが、どうやらこの後では焼け出されるということになりそうだ。

 され、後半分、読了まで忍耐がいりそうだ。

  ゴーヤが採れだしたので毎朝スムージーをつくっている。NHKの番組でのレシピ。二人分で冷凍のバナナとゴーヤ半本に牛乳半カップとヨーグルト、はちみつを加えてミキサーをかけたもの。すこぶる美味しい。

 

 

 

 

 

       夕飯の箸置きて立つ虹を見に

 

 このところ連日夕立。夕日が出ているのに雨が降っているという珍妙な現象である。

 

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