半夏生

雨模様の日が続く。

半年ぶりのCT検査。結果の診断は来週である。入り口で検温と消毒をされ、マスクで入場を許可されるというシステムはすっかり普通になった。人の数は以前と変わらないようにもみえるが、会計などでとどこらないようにいろいろ工夫がされている。

  

 このところ吉村昭さんの『落日の宴 勘定奉行川路聖謨』を読んでいる。「晴天を衝け」では平田満さんの役どころである。昔、司馬さんが「川路聖謨というのは実に傑出した人物だ」というようなことをいわれていたのも、読む気にさせられた。基本はフィクションなのだろうが、記録文学のように詳細に日時を追った内容で、なかなか進まない。ようやく三分のニで、日露和親条約の批准書の交換が行われたが、攘夷派の斉昭の横槍が入ったり、地震でロシア船が沈没したり、たいへんである。平田さんの川路は飄々とした老人にみえるが、今のところはそうではない。ロシアのプチャーチン相手に、一歩もひかぬ壮年の川路である。

 

 

 

 

         半夏生柿の葉先に雨しずく

 

 

 

 

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今年もフウランの季節です。