茎石

岐阜県美術館『岸田劉生展 写実から写意へ』へ行く

 小春日和のうちにと外出する。

岸田劉生の装丁画から風景画・人物画・文人画のようなものまでかなりの数の展示であった。劉生といえば「麗子像」のいくつかに強い印象を持っていたが、今回「麗子像」はあまりなかった。しかし、やはり自画像を含めて肖像画のもたらすインパクトが一番だと感じた。風景画はあまりなかったが『夏の路(鵠沼海岸)』が私としては好きだ。晩年の(といっても彼は享年38歳らしい)文人画というか南画というか軽いタッチの日本画では『竹林七童図』がいい。部屋に掛けるならこのあたりかなあと勝手なことを思う。

 特別展の後、常設展にも。藤田嗣治熊谷守一の作品が増えていた。守一さんの二曲一双の屏風絵の大胆な描きっぷりに言うことなし。

 ところで、今日は初めて障害者手帖の提示で入館した。申し訳ないが付き添い共々無料なのである。立派な障害者に違いないのでありがたく利用させていただいた。帰ったら県内のコロナ感染者が最多との報道。もっとも美術館は検温・消毒のうえ入館、寂しいほど人はいなかった。

 

 

 

 

          庭隅に母の茎石転がれり

 

 

 

 

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